オリガルヒ

1990年代のロシアについて。主にオリガルヒ。時々チェチェン。まれにイラク、パレスチナ、その他紛争地。 自分はこれからどんな惨めな人生を生きていくことになるのだろう。考えている。

Monday, November 08, 2004

アブラモビッチ-突然、億万長者?!

ブログを始めたばかりなので、なんだか楽しくどんどん投稿してしまう。

まだここに名前は出してないのだけど、ずっと気になる本が一つあって、書いておきたい。タイトルは"Abramovich: Billionaire from nowhere"。おおー。これは、もうこれ以上ないってぐらいに直球で来たね。
この本、どうなんだろう。


実は私がオリガルヒに興味を持ち始めたのは、アブラモビッチがきっかけであるわけで、数あるオリガルヒの中でも、アブラモビッチは大好きでたまらない。ただし、「彼がこれまで何人の命を奪ってきたのだろう?」と思うと、私の中での愛はもろくも崩れ始めるのだけど。少なくとも一人… 二人?

それはいいとして、この本がもし、アブラモビッチに関する真剣な本だとしたら、数々の謎が解き明かされるはずだよね。
今のところ分かってないのは、彼が軍隊に所属した後、1994年まで何をしていたかということ。
あいにくオリガルヒに関する主要な研究は、ベレゾフスキーやグシンスキー、チュバイスなど旧来の勢力については進んでいるのだけど、このアブラモビッチや、アルミニウム業界のオレグ・デリパスカのような新興勢力に関する情報はとても少ない。

アブラモビッチに関しても、ベレゾフスキーと組むまで、Runicomという会社を作ったことなど、細かい断片的な情報は出てくるのだけど、全てを統一してくれるような網羅的な資料には出会えてない。
この本はその隙間を埋めてくれるのかな?


書いている人の他の本を見てみると、どうやら、これまではイギリス王室に関する暴露本を書いてきたようだ。
故ダイアナ妃や、セーラ妃の本を書いている。なんともいえない。期待してよいのやら。

この本は、今買うとハードカバーなので3000円を超えちゃう。来年の5月にペーパーバックが出版され、それは1000円台で手に入るだろうから、とりあえずは待ちの状態かな。


ところで、何かが明らかになるといっても、あまり期待は出来そうにない。今、アブラモビッチっていうのは、たぶんロシアで最も力を持っているオリガルヒ。ロシア以外にも、ロンドンでも勢力を伸ばしてるだろうね。
それは、彼がチェルシーを買ってからのイギリスの新聞の報道を見ていると感じる。彼の資産はほとんど不法な手段によって築かれたものだけど、それに関する意欲的な追求はなかったもの。
叩けばどんどん埃がでるはずなのに、誰も追求しない。少なくとも大手のメディアは。
ガーディアンは、翌年の5月になって、"He won, Russia lost"というとても良い記事を出してくれたけど。アブラモビッチの過去は、触れてはいけない話題なのかもしれない。

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