オリガルヒ

1990年代のロシアについて。主にオリガルヒ。時々チェチェン。まれにイラク、パレスチナ、その他紛争地。 自分はこれからどんな惨めな人生を生きていくことになるのだろう。考えている。

Saturday, November 20, 2004

ユコス解体-これじゃぁオリガルヒと同じじゃん

本を読むだけじゃなく、最近の出来事も追っていかなくちゃね。
Yahooにも出てた読売新聞の記事によると、昨日、ユコスの一部、ユガンスクネフチガスが来月19日に競売に出されると発表されたそうな。

これ面白いね。どうなるんだろう。
読売新聞の記事によると、欧米金融機関の評価額1兆6000億円に対し、ユガンスクネフチガスの最低入札価格は9000億円。これは、ガスプロムなど政権に近い企業が落札しやすいように意図的に低くされたという見解もある。
一方で、ユコスの社長のスティーブン・シードは、「いきなり中核資産を競売にかけるのは、国家による政治的な強奪だ」と言っているそう。

シードの発言、私は同感。もともとプーチンのこのやり方は気に入ってなかったけどね。

ユコスの事件に関して、私ちょっと、背景知識が足りないわ。あんまりこの事件は追ってなかったのよ。過去1年ぐらい、イラクの方のニュースを追ってて、こっちは無視してきちゃった。
猛勉強しなきゃ! 今すごいことになってるんだし、この事件を単に傍観するわけにはいかない。

とにかく今よく分かんないのは、どうしてユコスだけがこんなに脱税の件で咎められなければならないかということ。いやこの書き方は曖昧だね。なんでユコスだけなのは分かってる。プーチンと敵対したから。
でも、よく分からないのは、この事件が政治的なものだっていうことが何よりも明らかなのに、こういうふうな方向性で物事が進むことがどうやら一般的には是認されているということ。信じがたいな。

そりゃ脱税はよくないさー。けどね、「脱税してるのがユコスだけだ!」なんてのは信じられないんだけど…。
ユコスが脱税してるのに、シブネフチはしてない? ルクオイルは脱税してないの?そんなことあるかねー。

ロシアの税金っていうのも、これまた興味深いもので、数年前まで脱税っていうのはあたりまえのことだったそうだ。
1990年代、税金は利益の110%とかになっていて、まともに税金を払っていたら、会社を経営していけない。だから、皆脱税してた。脱税せざるを得ないというか。そういうふうに、バディム・ボルコフが"Violent Entrepreneurs"の中で書いてた。
そんな状況を変えるべく、2000年ごろ、プーチンは税率を下げ、「税金を少なくするから、ちゃんと払えよ」みたいな方向性にしたのよね。これ自体はプーチンの賢い動きだったと思う。
けど、そんなにすぐ変わるものかね? ユコスはもともとの雰囲気通りに脱税してたんだと思うんだけど、ユコス以外の会社は全部きっぱり方向転換して税金を払うようになったの?

納得できん。少し時間を取って、あちらこちらの新聞を読んでみよう。


それにしても、この競売っていうのは、ほんとにもう、笑顔で顔が崩れそうになるよ。大笑いしたいのに、楽しすぎて声が出ないというか。呆れるばかりというか。

「政府に近い企業が入札しやすいように」だなんて、オリガルヒとやってることが同じなんだけど…。
1995年のLoans for Shareの競売では、ユコスだけじゃなく、シブネフチなどの企業が競売にかけられ、二束三文の値段で売り払われた。それが今のオリガルヒの資産の原型になったもの。

来月の19日に行われることって、その再現みたいな雰囲気が強い。結局同じ穴の狢か。象徴的ではあるけどね。

どこが落札するんだろう。ロスネフチとの合併を控えるガスプロム? スルグトネフチガスも政府に近いよね。
個人的には、ルクオイルに行っちゃってもらいたい! そうさ、ここで生産量を倍増させるんだよ! なんてね♪
実際には、アレクペロフはそんなこと絶対にしない。彼は長いものに巻かれることを選ぶタイプ。例え、その長いものが気に入らなくても。そしてプーチンはたぶん国営企業に梃入れしたいはず。

ただし思い返せば、これまでガスプロムは「ユコスが競売に出されても買わない」って何度も言ってきたよねー。でも、ユガンスクネフチガス単品ならゲットしたいかも??

ガスプロムネフチの誕生と共に、この数ヶ月でロシアの石油企業の勢力図は大きく変化しそうだね。変化の前に予備知識を貯めとかなくては。

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