オリガルヒ

1990年代のロシアについて。主にオリガルヒ。時々チェチェン。まれにイラク、パレスチナ、その他紛争地。 自分はこれからどんな惨めな人生を生きていくことになるのだろう。考えている。

Saturday, December 18, 2004

競売-ついに明日

昨日迷ったFedral Property Fundの日本語訳だけど、共同通信は『ロシア連邦資産基金』と訳してた。読売新聞は、『国有資産基金』。日経新聞は『連邦所有基金』。
毎日新聞は『ロシア政府は~』みたいにボカして書いていた。朝日新聞には関連する記事が見当たらない。産経新聞は共同の記事を転載してた。

もともとのロシア語って何だったんだろう。
英語表記から考えたら、Federalが「国有」という訳になるとは思えないし、Propertyに「所有」という言葉を当てはめるのも、政府の機関の名称としてはおかしいよね? なんか、わざとずらしてる気もする。
まぁ、とにかく、この機関に、確立された日本語名が存在しないことだけは分かったわ。

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ヒューストン裁判所の決定だけど、昨日よりも私が状況を理解してきたので、すこーしだけ面白くなってきた。
これは、競売を延期させるものではなく、ガスプロムに買わせないようにするものみたいだね。それもターゲットはガスプロムというより、ガスプロムに出資しようとしている会社に対して。
ガスプロムは今回の競売に参加するにあたって、ドイツ銀行、ABNアムロ銀行、BNPパリバ銀行、カリヨン銀行、ドレスナー・クラインオート・ワッサースタイン証券、JPモルガンから資金提供を受けることになっていた。
ユコス側の破産申告っていうのは、「ガスプロムに協力しやがったら、お前らを訴えてやる!」みたいなことを意味するのよ。それで、ヒューストンの決定を受けて、この銀行連合はガスプロムへの融資計画を一時的に保留にしたの。状況が明らかになるまで。
モスクワ・タイムズの記事によると、ドイツ銀行とガスプロムの代理人もヒューストンに現れたとか。
(そうそう、アメリカの国務省はユコス側についているようだ)

つまり、今回のヒューストン裁判所の件というのは、ユコス側からの嫌がらせみたいなもんじゃないかしら。「ガスプロムにだけは売らせない!」みたいな。
でも、効果はあるのかなー。確かに銀行連合の方は、足踏みさせたけど、クレムリンの支持を得ているガスプロムが、こんなことで方向性を変えるなんて思えない。お金が足りなくても、平気でしょ。現に、モスクワ・タイムズの記事には、ガスプロムの人の話として「どうしてお金を日曜の競売の時点で用意してなくちゃいけないんだい? 今年の終わりまでに何とか払うよ」みたいなことを言っていたとか。
いや、今年の終わりじゃなくて、来年の終わりまでにずれ込んだりして。いやそもそも全部は払わないかもね。本当に、それがありうるのよ、今のロシアの司法機関は。

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てなわけでそんなところ。
「ここまで長々と書いといて何言ってんだ」と思うかもしれないけど、あんまりワクワクしないねー。
一つには、プーチンのやり方には、ほとほとウンザリしてる。どうしようもないよ。こんなふうに、独裁者みたいに好き勝手するなんて認められない。
一方で、そうは言っても、ホドルコフスキーにもあんまり肩入れする気にもなれない。オリガルヒにはすごく興味を惹かれるし、大好きだし、研究対象として面白いと思うけど、同情するかって聞かれたら、同情なんかできないさ。
ものすごいことをやってきたんだからね。

追記
ホドルコフスキーの裁判中の写真ってのは、GettyImagesで検索すれば出てくるけど、元気そうだよ。
あれだけの修羅場をくぐり抜けてきた人だもん、このぐらい全然平気。全然平気。

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