オリガルヒ

1990年代のロシアについて。主にオリガルヒ。時々チェチェン。まれにイラク、パレスチナ、その他紛争地。 自分はこれからどんな惨めな人生を生きていくことになるのだろう。考えている。

Thursday, December 16, 2004

I care... CSIのグリッソムっぽく

"Abramovich"を読み始めた。最初の謝辞の部分3ページと、プロローグの13ページを読み終わったところ。

ここまで読んで分かったのは、この本、何気に時間がかかりそうってこと。サッカー本ということで、楽に読めるかなーと思っていたのだけど、それは違ったみたい。
まず、単純に文体が難解。これは、"Putin's Russia"を読んだ後だからそう思うのかもしれない。
どのあたりが難しいか説明が難しいのだけど、英語を母語としている人が書いた文章に見られる複雑さと言えば分かっていただけるかな。一つの文章に、複数の主張が混ぜられているというか。翻訳本の場合は翻訳者が、意味を単純化してくれてる部分があると思うけど、そういうのがなくて読解が大変。でも、本当はこのレベルの文章を軽く読めるようになりたいな。
もう一点は、使われている語彙に関して。やはり翻訳書では、使われる語彙は制限されてた。時折、難しい言葉が出てくるけど、実はその言葉は決まった意味で何度も用いられるだけだから、最初に辞書を引いて意味を覚えてしまえば大丈夫。ところが、"Abramovich"は、知らない単語ががんがんに用いられていて、分からない単語がいっぱい! これも、英語を母語とするジャーナリストが書いたせいだね。

とにかく、思ったより読むのに時間がかかるわ。1時間で20ページぐらいじゃないかな。"Putin's Russia"のほうは、25から、最高で30まで読めたから、だいぶ遅くなる。全部で312ページだというのは前にも書いたけど、今年中に読み終わりたいね。

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ついでに、13ページまで読んだ感想は、「何気に期待できるかも!」ということ。
例えば11ページには、ミッジリーとハッチンズがクレムリンの報道官に対して『2000年、シブネフチの所有権をアブラモビッチに移すために、ベレゾフスキーに対し、プーチンが“アブラモビッチに売らないならシブネフチを潰してやるぞ!”と脅したというのは本当かな?』という質問をファックスしたことが書いてあった。素晴らしい。そんな噂聞いたこともなかったよ。
あと、2000年にプーチンの最初の政権が誕生したとき、閣僚を誰にするかという面接にアブラモビッチは立ち会っていたんだってさ。

この情報と、"Putin's Russia"に書かれていたエピソードをつなげると、アブラモビッチは首相のカシアノフの留任を主張したりしたのかな? プーチンの第一政権のうち、カシアノフは特に元エリツィン派だったのだから。そして、2004年にフラドコフに挿げ替えられたんだよね。
このあたりはプロローグ以後のところでもっと詳しく書かれるかもしれない。

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もう一点。
8ページには、「チェルシーのファンはアブラモビッチの過去を知ろうとしない」と書いてあった。
確かにそうかもね。アブラモビッチがやってきた当初は、「こいつは誰じゃ?」みたいなことが言われたけど、その後、多くの有名な選手が獲得され、チームが結果を出すと、アブラモビッチのことをとやかく言う人は少なくなった。
著者はこういうふうに書いている。『多くの人の想いはこうだ。“全てがうまく行っているというのに、どうして昔のことをほじくり返すのか? 株の引換券だの、民営化だの、証券の希薄化だのといった過去を、誰が気にするか?』

ここを読んで私が思ったのは、“I care.”と。
これは、CSIの第一シーズンの最初のほうのエピソードでグリッソムが言った言葉。かっこ良かったねー。
確か捜査中に犯人が自供し始めて、彼の自白と既に突き止められた証拠とが矛盾してたんだけど、『事件はそれで終わり。証拠なんて誰が気にする?』という感じになったところで、一言“I care.(私は気にする)”と言ったのよ。
アブラモビッチに関して、私はこのグリッソムみたいな感じで、気になるのよ。彼の過去が気になる。どうしても気になる。莫大な資産を継いだのならいいのだけど、そうじゃないから気にしてしまうわけ。

にしても、あのときのウィリアム・ペーターセンの演技は非常に良かった。CSIの中で、ウィリアム・ペーターセンは、もう最高に輝いているね。

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