オリガルヒ

1990年代のロシアについて。主にオリガルヒ。時々チェチェン。まれにイラク、パレスチナ、その他紛争地。 自分はこれからどんな惨めな人生を生きていくことになるのだろう。考えている。

Tuesday, December 21, 2004

ホドルコフスキーの秘密

あー、もう生活ぐっちゃぐちゃ。昨日はあの後、5時半まで作業して、その後気がついたら、7時半に「うるせーなー!!!」と思いながら目覚し時計を消してた。いつのまにかに眠ってしまったらしい。良かった、目覚ましをかけておいて。

でも、結局作業は終わってなくて、遅刻するわけにもいかないから、そのまんま学校に行った。マニュアルは諦めて、同時に出さなきゃいけなかったレポートの方だけ仕上げることにした。3限の1時間半、法律の授業の教室の中で、ノートパソコンを開いて打ち込みまくっていた。写真サイトのジャーナリズム的な可能性について(なんだそりゃ)。行きの電車の中で原稿を書いておいたの。
結局、4200字を書いて「適当にやったんじゃないんだよ」みたいなふりして出した。なかなかの力作だわ。時間がなかった割には、よく書けている。
誰も私を責められないはず。これが今学期3つ目のレポートだけど、前の2つも当日の明け方まで手付かずだった。これが私のやり方なのさ。でも、これまでずっとこうやってきたし、仕上げられなかったことなんて、1回しかないもん。それだって、2度目の締め切りには間に合わせられたから、ダメージはゼロ☆

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帰り道は、"Abramovich"を読んだ。ところが、登戸を過ぎた辺りから急に眠くなって、久しぶりに電車の中でぐっすり寝てしまった。新宿に着いて、ドアが開いた音で目が覚めたくらい。新宿まで寝るなんてこと、過去3年間でも、滅多にないのになー。電車の中で寝るのは、今学期3度目だと思う。帰りの電車の中で寝たのは、今日が初めて。

そんなわけで、全然本を読めなかった。仕方ないよね。2時間しか寝てないんだし。それでも今日は82ページまで読んだよ。既に、エリツィンが再選された後に話が移っている。ものすごい勢いで時間が経過していく。しかも、このあたりから、もう確信したのだけど、ミッジリーとハッチンズはデイビッド・ホフマンの"The Oligarchs"をテキストにして、章を書いたね。本当に似通っているんだもん。「読む必要あんのかなー」なんて思いながら読んだ。
電車の中で寝てしまった理由の一つは、本がつまらなかったせいもあると思う。70ページ台には、知ってる情報しかなくて、「もう、いいよ。こんなこと書かなくて」と思いながら、ざーっと読んだ。
(でも、ところどころクリスチャ・フリーランドのほうからの引用があって、参考になった。)

一方で、80ページに入った辺りから、少し面白くなってきた。アブラモビッチがベレゾフスキーと共に、シブネフチの傘下のノヤブルスクという会社の株をせしめた話が書いてあった。この話は全然知らなかった。
ホドルコフスキーがユガンスクネフチガスで似たようなことをしたのは読んだことあったけど、やっぱりアブラモビッチも同じなんだね。

それはいいとして、80ページと81ページには、「アブラモビッチって、気さくでいい奴だ」みたいなことがつらつらと書いてあった。曰く、「シブネフチの会社の中では、皆が家族みたいだ」。「会社の上下関係が分かるのは昼食のときだけ。昼食は、それぞれの地位に応じた部屋で食べる。だが、アブラモビッチは専用の昼食室で食べることになっているけど、来客が来ないときは、同僚をその部屋に招いている」とか。社長室の扉は常に空けられていて、そこからアブラモビッチが、足を机の上に上げてワイド・テレビでサッカーの試合を見ているところが目撃されているのだとか。

この辺りがリップサービスなのかな。これ、信じていいのかね? 実はこの手の話ってのが既に結構出てきてる。「コピー機の側に立っているのは誰だい?」と聞かれて、シブネフチの社員が「あれが、アブラモビッチですよ。わが社の社長です。」と答えたという逸話は、この本にも収録されていたけど、本当に有名だよね。
こういうイメージでアブラモビッチは自身を売り込みたいのだと思う。それは分かった。だけど、それが真実の姿なの?

アブラモビッチってのは秘密も多いはずだよ。人には言えないことも。密約も多いだろうし。そういう人が、こんなに開けっぴろげだなんてありえるかなー。

ま、それはいいとして、注目はその対象例として描かれたホドルコフスキーについて。
81ページには、「ホドルコフスキーのユコスは、階層が非常に明確な会社だった」とある。ホドルコフスキーが、どこかの会社を買収した際には、その役員の室に監視カメラを設置しちゃんと働いているか監視することにしたとか。
あるいは、これが一番衝撃的だったのだけど、「ホドルコフスキーは、大の男を泣かせてしまうことと、人前で脅迫をすることで有名だった」とのこと。

これはアブラモビッチを良く見せるために、悪い例として出されているので、もしかしたらちょっと脚色されているかもしれない。また、ホドルコフスキーは現在刑務所の中にいて、彼に関して何を書いたところで、そんなに問題にならないだろうから、その点で大げさな記述になっているかもしれない。

でも、「他人を泣かせる」とはねー。なんか素敵な表現だね。古風でロマンチックで。
彼に関しては気短な印象を受けているし、ずるがしこくて、でも度胸はあって、冷酷で、反社会的な人間だと思っていた。そんな中に"Abramovich"のこの情報が上手く当てはまらない。どのように判断するかは保留にしておくしかないね。新しい情報が出てくるまでは。
ホドルコフスキーに関しては、"The Oligarchs"の中でたくさん触れられていた(実際、彼の生い立ちを追った章があり、彼は主要な登場人物6人の一人)のだけど、あまり恐ろしい人間としては描かれていなかったんだよね。"The Oligarchs"の方がよろしくないのか、どうなのか。"The Oligarchs"が、オリガルヒ側に寄った本だというのは否定しようがないけれど。
とにかく、"Godfather of the Kremlin"にも、彼の話は出てくるから、それを踏まえた上で決めようっと。

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そんなわけで、明日が学校の年内最終日。行きと帰りでどれだけ読めるかな。2004年ももう終わりだね。年が変わっても、地球はそのまま回転し続けるし、大きな変化はないけれど、もう二度とその年の年号に「2004」という文字を書くことはないのだと思うと、少し寂しくなるよ。
もう二度と戻ってこない2004年の夏、春、秋、冬。どうして、ただ時間を贅沢に無駄に過ごしているだけで、悲しい思いがするんだろう。

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