オリガルヒ

1990年代のロシアについて。主にオリガルヒ。時々チェチェン。まれにイラク、パレスチナ、その他紛争地。 自分はこれからどんな惨めな人生を生きていくことになるのだろう。考えている。

Tuesday, April 19, 2005

税金関係でニュースがいっぱい

最近、なぜか時間が取れなくて上手くニュースを追えてないのだけど、それにしても気になるニュースがいくつか。
(ちなみに本のほうは全然読んでない…)

昨日のBBCのニュースにSibneft 'settles its tax demand'というのがあった。
これは、『「脱税を問われていたシブネフチが3億ドルの追加徴税に応じた」とロシアのベデモスチ紙が伝えている』というもの。
もともとは10億ドルの脱税を問われていたのだけど、3億ドルまで減額になったらしい。
このことが事実かどうか、BBCの方では確認が取れてないみたい。

面白いのは、数日前にアレクペロフが「2002/03年度の税金の件で調査を受けていて、問題が発覚されるかもしれない」という発言をしていること。
さらには、先週、TNK-BPに10億ドルの追加徴税が提示されたばかり。
このTNK-BPのほうは、これで嫌疑が確定したわけではなくて、これから裁判になってごたごたするらしい。
BBCのニュースにあったように、今週、BPのトップのブラウン卿がモスクワでプーチンと会うらしい。裁判のほうは数日前に延期になって、5月の下旬に開かれる予定だったような。

ロシアの税金関係の記事を結構読み込まなくては。
だけど、今のところは、第二のユコスになりうるようなものはなさそう。さすがに、あんなことは当分は二度とできないと思うし、プーチンのほうも景気対策で『ユコス2は無い』と言っているし、大丈夫なんじゃないかな。
でも、アレクペロフとか、アブラモビッチみたいに、プーチンと仲良しグループのほうも脱税の件でもめるっていうのはどういうことなのかしら。税金の調査が大統領の意向に関係なく、独自に行われているってことなんだと思うんだけど、そうするとプーチンが狙っているほどには、ロシアにおける彼の権限というのは強くなさそうだね。これは前から疑っていたことだけど。

Thursday, April 07, 2005

"Sale of the Century"到着!

先ほど、クリスチャ・フリーランドの"Sale of the Century"が届いた。

紀伊国屋の梱包は、アマゾンに負けずとも劣らずのきっちり度であった。空気が入っていてプチプチ潰せるやつ(なんていうんだっけか…、商品名が分からない)で、くるりと本が包まれていて、それはそれは素敵な梱包だった。
これなら今後も紀伊国屋で頼んでもいいね。
どうでもいいけど、この本はネットに表示されてた価格が2097円で、代引き手数料200円と送料380円の計580円(高いよねー)を足すと、2677円になるはずなのに、請求金額は2676円だった。
本といっしょに受け取った納品票を見てみたら、実際のところは本体価格が1997円で、そこに消費税の99円を足しても、本の値段は2096円ということになっていた。ここで1円の誤差が出たらしい。ブックウェブのシステムの消費税計算のところが変なんだね。

書き忘れるところだったけど、紀伊国屋は4月5日の深夜に「2~3日後に発送します」というメールをくれて、昨日も「本日発送しました。」という連絡をくれた。
そのメールには、「長期ご不在の予定がある方はメールを下されば対応します」という一文もあったりして、面倒見のよさそうな感じだった。
紀伊国屋のインターネットのシステムは低機能だけど、発送の予定が分かるという点ではアマゾンと同じだけのサービスが享受できるね。

ついでに、これはアマゾンと紀伊国屋の違いではないのだけど、配達業者に関して。
ペリカンの代引きを使うアマゾンに対して、紀伊国屋はクロネコを使っている。それで配達業者のウェブサイトに関しては、ペリカンの方が上だと感じた。ペリカンは代引きの場合、請求金額がいくらであるかをインターネット上で見ることができるの。一方でクロネコのウェブサイトは、請求金額がいくらかを書いてない。
今回は特に、前日の紀伊国屋からのメールに書いてあった「代金は2676円」と、自分で計算した金額(2677円)が合わなかったから、配達業者のサイトで請求金額を確認したかったのに、クロネコのサイトではそれができなくて少し残念だった。

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ようやく本自体について。

今回は、以前のハードカバー版よりも15ページほど分厚くなっているのだけど、その理由は第一に14章にThe Oligarchs, Capitalism and the Kremlin : The Sequelという章が足されているから。
この一章前の13章はThings Fall Apartというもので、ハードカバーのほうはここで本編が終わり、終章のConclusionに入るのだけど、ペーパーバックでは、その間に21ページからなる新しい章を足したというわけ。
この本が最初に出たのは2000年だけど、それからずいぶんと時間が経って状況が変わっているから、こうやって新しい章を足したのは賢明だと思う。ざっと見た感じでは主にホドルコフスキーのことに注目している感じの章。

あと、冒頭にポール・クレブニコフの"Godfather of the Kremlin"のように登場人物の一覧が追加されている。この部分がハードカバーの方になかったかどうか断言はできないのだけど、Amazon.comの本内部検索で見た限りでは、ハードカバーのほうにはなかった。
"Godfather of the Kremlin"では、Cast of Charactersというタイトルのもとに、全ての人物が姓の順に列挙されていたけど、"Sale of the Century"では、Dramatis Personaeという題目で、ラテン語が使われていた点も面白い。"Godfather of the Kremlin"を意識して、用語の選択をずらしたのかしら。ふふ。
さらに、"Sale of the Century"では、登場人物を単に列記するのではなく、The Young Reformers, The Party of War, The Familyなどと項目別に分けていた点が分かりやすい。オリガルヒに関しても、Alfa, Logovas/Sibneftというふうに分けられいて。

最後の目次を見てみると、この本でもバギート・アレクペロフとブラディーミル・ボグダノフのことはほとんど書かれていないみたい。この二人は本当に謎が多いね。対外的に自分をアピールしていったホドルコフスキーやベレゾフスキーの一派とは違って、アレクペロフはとにかくひっそりとやっている。アレクペロフがロシアで最も秘密のオリガルヒと称されるのも頷ける。

Acknowledgementsを読んでみたら、やっぱりデイビッド・ホフマンの名前が挙げられていた。ホフマンの"The Oligarchs"にも、クリスチャは良い旅仲間だったって絶賛されていたもんね。
"Sale of the Century"の360ページには、「デイビッド(ホフマン)は空港で落ち合うときには、分厚い資料の束を持って待ち構えていた…」と書かれていた。二人は空港で待ち合わせをしていたんだ。

さらにAcknowledgementsを読んで驚いたのは、クリスチャ・フリーランドはハーバード大学の卒業生で、ハーバード大学にはデイビス・センターという有名なロシアの研究所があって、そこには"強奪されたロシア経済"を書いたマーシャル・ゴールドマンという有名な教授がいるのだけど、クリスチャ・フリーランドとゴールドマンはどうやら知り合いのようで、マーシャル・ゴールドマンが"Sale of the Century"の原稿を読んで、間違いを指摘してくれたことに対する謝辞があったこと。
原稿に関しては、それ以外にも、デイビッド・ホフマンを初めとして、様々な人に読ませて意見を聞きまくったらしい。
ジャーナリストっていうのは人脈が命なのかしら。そんなふうにも思えてくる。この本も、"The Oligarchs"や"Godfather of the Kremlin"と同じように、様々な主要な人物(ホドルコフスキーとか、ベレゾフスキーとか)との直接のインタビューから得られた情報が中心となっている。いろいろな知り合いがいないとだめらしいね。こういう点で、良好な人間関係を築くのが苦手な私はジャーナリスト向きじゃないんだなーなんて思ってしまう。

クリスチャ・フリーランドの経歴はものすごくて、まず大学生のとき、ハーバードでロシアの研究をして、ロードス奨学金というのをもらって、オックスフォードに行って修士号を得たという。
東欧からの報道が評価されて、26歳でフィナンシャル・タイムズのモスクワ支局長になった。1995年の1月から1998年の8月まで。
その後、カナダのグローブ・アンド・メールの副編集長を務めて、今は天下のフィナンシャル・タイムズの副編集長。1968年生まれだから、まだ36か37歳だよね。
すごすぎる経歴だわ。こういうふうに生きるのもきっと楽しいんだろうなーと思う。だけど、その影ですっごく努力したんだろうなーと思う。
最近、外国の大学院に進む場合に何が必要なのか興味があっていろいろと見ているのだけど、並大抵のことじゃないようだ。特にオックスフォードみたいな名門大学に行くというのは、ちょっとやそっとじゃ絶対無理!

Notes on Sourcesのところには、「全てのロシア語から英語への翻訳はクリスチャ・フリーランド自身が行った」と書いてあった。ロシア語を普通に使えるのね。それもすばらしい。
確か、クリスチャ・フリーランドはウクライナからカナダに移民した両親の元に生まれたんじゃなかったかしら。フリーランドに関して私はストーカーしてないから、情報があやふやだけど、彼女がどこかに書いた記事の中でそういうふうに読んだ気がする。あと、フリーランドはワシントン・ポストに寄稿したこともあるらしい。ワシントン・ポストはデイビッド・ホフマンの所属しているところ。そのせいでホフマンと知り合ったのか、ホフマンとの縁から、ワシントン・ポストに寄稿することになったのかは、もうちょっと情報を追わないと分からないけど。

とにかく非常に楽しみな本。
今すぐにでも読み進めたいのだけど、さすがにポール・クレブニコフの"Godfather of the Kremlin"が途中なのにほっぽりだして読むわけにはいかない。それだけはしちゃいけないと思う。だからとにかく、クレブニコフのほうを早く読まなきゃ。
"Godfather of the Kremlin"は、ちょこちょこ読んでいて、76ページまでは読み終わった。77ページからは、第3章のTrader's Paradiseに入る。
クレブニコフの文章は、かなり難解で、分かりにくくて、そのせいで読むのに時間がかかってしまい、30分ぐらい読むとそれ以上読み続ける気力がそがれちゃうの。だけど、そんなこと言ってられないなーとは思う。最近、イギリスに留学している人の文章を読んだのだけど、とにかくリーディングが多い授業を取ると大変みたい。1週間で700ページぐらい読まなきゃいけないとか。
私、ホフマンの"The Oligarchs"の500ページを読むのですら、1ヶ月かかって、もうへとへとだったのに、あれを1週間で読んで、さらにバディム・ボルコフの"Violent Entrepreneurs"の201ページも同じ週に全部読むみたいな真似は絶対できないよー。でも、できなかったら、修士号は取れないんだよね。「できるできないという問題ではなくて、とにかくやるっきゃない!!」って感じのことが書かれていて、私は「勉強ってのはそれぐらい大変なものなのか…」なんて思ってぐったりしてしまった。
あー、ほんと、本ぐらい、さっさと読まなくては。

ところで、最近、ロシア語を勉強してみようかなーと思って、NHKのテレビのロシア語会話を見ることにした。今月から始まるロシア語会話の番組は非常に面白そう! まだ1回しか見てないけど、初回は非常に面白かった。
以前ロシア語しか書かれていない地図を買ってしまったし、ロシア人の名前が読めなくて困っているという自体は相変わらず続いているし、ロシア語が読めたらオリガルヒに関しても、エレーナ・トレグボワを初めとして、コルシャコフの本など、読める文献が格段に増えるから、是非ともロシア語は使えるようにしてみたい。
そんなわけで夢は広がるばかり。

Saturday, April 02, 2005

卒論…

なんと学校のアカウントがもう使えなくなっている!!
どうやら、4月25日まで使えると思っていたのは私の勘違いだったらしい。
実際のところ、もはやメール・アカウントさえ利用停止になっている…。う~む。データは25日まで保存してくれるらしいのだけど、アカウントの利用は機能で終わりだったようだ。
つまるところ、もう卒論のアップができない。卒論出せなかった…。

私はかなり衝撃を受けてしまって、先ほど この事実に気づいたときは、モスクワのオスタンキノテレビ塔まで行って身投げしたい衝撃にかられた。今だって、こうしてのんびりパソコンに向かってタイピングなんてしている場合じゃないって気がする。地球の回転を止めて、なんとか昨日まで時間を戻さなきゃ。スーパーマンにでもなるっきゃない!!

はー。
でも仕方ないね。諦めることにする。こんなことを言っては何だけど、卒論を出してないわけじゃないもん。
卒論は一応出したの。評価もAが来た。
じゃあ、過去8週間のゴタゴタは何だったかといえば、「一応出した卒論」が私の気に入らないものだったから。私の興味の対象ではないことに関して書いたものを出しちゃっていたわけで、それがもっとも気にかかっていた。
実際そのとおりで、あの文章が、「私の卒論」になってしまうのかと思うととっても悲しいのだけど、現実問題としては、私はあれ以上のものを書けなかった。それを受け入れるしかないね。

問題があるとすれば、「一応出した卒論」と「私が出したかった卒論」というのが2つあるとして、「一応出した卒論」はウェブ上にアップロードしておいたのだけど、大学のほうのリストに登録する概要は、「私が出したかった卒論」のほうの概要を提出してしまったということかしら。
このあたりを自分でどういうふうに処理するかがキーになるかもね。

やっぱりこのあと2時間ぐらいで卒論みたいなものを書いてみようっと。
とにかく、困っているのは、卒論を出す出さないじゃなくて、「卒論として出したもの」となるものが手元にない状態だと思うの。手元に、「これが卒論です」と言えるものがあれば、それがアップロードしたものであろうがなかろうが、関係ないはずだから。
このあたり私がうまく融通が利かないね。
とにかくこの話をなんとか終わらせなきゃ。

Friday, April 01, 2005

2005年フォーブス2000のロシア企業

結局、前回の投稿の後は遊んでしまって、卒論はいまだに出してない。もう4月で、卒業式も終わって、学位記ももらっちゃってるというのに…。
今、気がついたことだけど、こういうことを心の中でなんとなく思っているうちは平気なのに、こうやってタイプして文字にしてみると、もやもやしていた思いが急に鮮やかな物として現出されてしまい、妙に悲しくなってしまったりするものなんだね。非常に苦しい。でも、明日までには出すことにして、今日のところは寂しさを紛らわそうっと。
もはや私の卒論がどうたらというのは、成績とかには関係なくて、単純に自分の満足心を満たすためだけに、ウェブ上にアップしてみたいのよ。だって、「卒論出しました! これこれこういうものなんです!」って、後になって振り返りたいから。4月25日までは学校のウェブスペースが使えるので、それまでにとりあえず一度だけアップしてみよう。

注文中のクリスチャ・フリーランドの"Sale of the Century"に関しては、先月の20日に申し込んだっきり音沙汰なし。もうそろそろ発送されてもいい頃だと思うんだけど、どうなるのかしら。アマゾンでの取り扱いは未だに始まらないので、紀伊国屋のブックウェブを使うことにして大正解か…。

ところで今日の投稿は、昨日発表されたフォーブス2000のことを書きたくなったから。
フォーブス2000とは、ポール・クレブニコフが在籍していたアメリカの雑誌フォーブスが出しているランキングで、売上高、利益、総資産、株価などから、世界の優良企業を2000まで番付けするというもの。ちなみに、クレブニコフの"Godfather of the Kremlin"はまだぜんぜん読んでない。これも早く読み終わらせたい…。

ロシアからは2000位までに13の企業がランクイン。
順にあげてしまうと、トップは67位のガスプロム。続いて161位にルクオイル。252位、UES。360位、スルグトネフチェガス。409位、ズベルバンク。452位に、シブネフチ。504位、ノリリスキー・ニッケル。759位、モバイル・テレシステムズ。938位、タトネフチ。1091位、セベルスタール。1468位、ビンペルコム。1836位、オートバス。1985位、メチェル・スティール・グループ。
オートバスと言えばベレゾフスキーだけど、今でもロシアのトップ企業なのね。

この企業のリストを見ると、なんか抜け落ちてる会社が多そうな感じがするのだけど、どうなのかしら。
石油会社の、TNK-BPなんかは入ってきても良いと思うのよね。モスクワに本社があるロシア企業のはずなんだけど、BPの子会社なのかしら? 確か、子会社ではないはずなんだけど。

ついでに見てみると、利益に関してだけ見てみると、トップのガスプロムが58億4000万ドルで、世界37位。続いてルクオイルが38億7000万ドルで、世界で70位。3番手はアブラモビッチのシブネフチで23億8000万ドルの、世界131位だった。
シブネフチの131位には、同額でタイとなっている企業が1つあるのだけど、それはアメリカのメディア企業ウォルト・ディズニー。ディズニー=シブネフチかい。なんだか面白い。
ちなみに、利益の額がシブネフチに近い有名企業は、24億5000万ドルのBMW、22億8000万ドルのマクドナルドなどがある。日本企業だと、収益力のキャノンが25億7000万ドルとなっている。
あのキャノンと変わらないなんて、シブネフチってすごいねー。といったら、シブネフチのおかしさがより確かなものとして実感できるんじゃないかしら。もちろん、最近の原油高が追い風になったっていうのは事実としても、この金額はなかなかのものだと思う。売上高70億3000万ドルで、24億円の利益! なんとも極悪だわ。
ちなみに、利益のトップ7は、エクソン、ロイヤル・ダッチ・シェル、シティ・グループ、GE、BP、バンク・オブ・アメリカ、シェブロン・テキサコとなっており、トップ7社のうち4社が石油関連というご時世。そういえば株価総額で、エクソンが世界一になったというニュースも何週間か前に流れたばかり。
シブネフチを追いかけていくのはなかなかに興味深いもの。ルクオイルのほうも無視できない。

なんだか、まとまりのない投稿になってしまったけど、とりあえずは無視しておくわけにはいかないデータなので投稿してみたい。ロシアの企業に関しては、もう少しいろいろなデータを見つけられるはずなので、今後、時間をとっていろいろ書いてみたい。