オリガルヒ

1990年代のロシアについて。主にオリガルヒ。時々チェチェン。まれにイラク、パレスチナ、その他紛争地。 自分はこれからどんな惨めな人生を生きていくことになるのだろう。考えている。

Saturday, January 29, 2005

本@山積み状態をどうするか

昨年の12月9日に、『今年アマゾンで8冊の本を買い、1万6173円を支払った~」ということが書いてある。
今回の3冊の値段は合計4313円なので、見事2万円突破だわ。ううー。ちょっと買いすぎかも。

今悩んでいるのは、これからいつ本を読むことにしようかなーと。学校が終わってしまったので、もう電車の往復って言うのがないんだよね。電車の往復で、1日5時間かかるからその時間を利用して読み始めた洋書だけど、読みたい本を読み終わる前に時間枠の方が終わってしまった。
これからは意識して読まないといけないなーと思う。

とりあえず今後手元に入る本をリストアップしておくと、
Paul Klebnikov, "Godfather of the Kremlin" (入手済み、55ページまで読了)
Michael Cunningham, "The Hours" (入手済み)
Virginia Woolf, "Mrs. Dalloway"
David Satter, "Darkness at Dawn"
Amira Hass, "Drinking the Sea at Gaza"

もしかすると、マイケル・カニンガムの"The Hours"の前に、バージニア・ウルフの"Mrs. Dalloway"を読んどいたほうが、"The Hours"を楽しめるような気がする。そういう方向で検討してみようかな。
とりあえず、"Godfather of the Kremlin"は、あと1週間は読み終わらないから、検討する時間はたっぷりある。"Mrs. Dalloway"も明日には配送されるだろうし。

ちなみに、昨年アマゾンで買った8冊をリストアップしてみると、
Anna Politkovskaya, "Small Corner of Hell"
Helen Fielding, "Bridget Jones's Diary"
Helen Fielding, "Bridget Jones: The Edge of Reason"
Vadim Volkov, "Violent Entrepreneurs"
David E. Hoffman, "The Oligarchs"
Anna Politkovskaya, "Putin's Russia"
Dominic Midgley and Chris Hutchins, "Abramovich"
Paul Klebnikov, "Godfather of the Kremlin"

マイケル・カニンガムの"The Hours"だけは、池袋のリブロと、既存の本屋さんで買ったの。
そういえば、当時リブロでは旧品売り尽くしセールみたいなのがあって、チャールズ・フレイジャーの"Cold Mountain"が525円で売られていた。かなり状態の悪いもので、古い紙特有の変色とにおいがあったけど、500円なら買おうかなーと思いつつ、結局買わなかった。もうあのワゴンはなくなっちゃっているだろうねー。

今回の買い物は、ほんとにもう…

大失敗だわ。

アマゾンに注文しといた本が「まもなく発送される商品」という表示に変わった。これは昨日の夜の話。どうやらそろそろ到着するらしい。

ところが!

今日になって、私が2128円で注文した"Darkness at Dawn"の値段が1644円まで下がったの!!
もし本の値段が下がったら一度注文をキャンセルして、安い値段で注文しなおそうと思ってて、この一週間の間は、毎日チェックしていたのに、その間は全く動きがなかった。なのに、本が発送作業に入って、こちらからキャンセルできなくなったところで、値段を500円も下げるなんてズルいよ。まったくむかついてきちゃう。

もちろん値段に変動があるのは分かってるし、仕方ないとも思うんだけど、今回のやり方はあんまりにもひどいと思う。キャンセルできなくなった途端だもんねー。

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"Godfather of the Kremlin"の方だけど、あれから全然読んでない。今週は学校がテストで、行きと帰りの電車では、テスト勉強していた。最終日の帰りは、暇だったから本を読めたはずだし、実際家を出るときはそのつもりで本を持って行っていたのだけど、なんだか疲れてしまって、50分間電車の中でボケーっとしてしまった。何か手近な紙に落書きするとかというのではなく、文字通りボーっとしていた。たまにはそういうのがあってもいいかなと思いながら。
ところで、以前12月23日に、Aが6個は来るはずーと書いたのはどうやら撤回しなくちゃいけないっぽい。今でも5個は確実なんだけど、今週のテストを受けた印象からすると、残りの1科目でAが来る可能性はすっごく低い。

その授業はこのブログでも既になんどか話題に出していて、12月の頭に"アメリカナイゼーション"の書評を書いて提出したのがこの授業。英語帝国主義など面白いテーマを扱っているのだけど、講義の途中から教師の保守性がどんどん前面に出るようになって、やる気をなくしてしまった。それが勉強しなかった理由…、と、ここで言い訳しても仕方ないんだけど、一応このブログはオリガルヒだけでなく、チェチェンやパレスチナやその他の紛争地(含イラク)、調査報道というジャーナリズムのあり方も扱うことになっているわけなので、その観点から興味深い思想として書いてみたいのは以下の通り。
「アメリカとイギリスには、それぞれAP、ロイターという国際通信社がある。国際通信社は、世界のニュースの方向性を決める上で多大な役割を果たしている。国際通信社の言説が国際世論を決定付けると言っても過言ではない。ところで、これらの通信社はそれが在する国の政府の意向に沿った報道をすることが多い。ということは、イラク戦争に賛成した、アメリカ政府とイギリス政府の決定を反映し、APとロイターでは、イラク戦争を是とする報道が流れる。これらの事態を前にしたとき、日本という小国が、イラク戦争に反対したところで、国際世論という舞台の中では具合がよくない。つまるところ、日本政府がイラク戦争に賛成したのは、国際世論の研究からすると、非常に芳しい決定であったとすることができる」とのこと。

これだけじゃなくて、他にも「反米の人は、大抵、反中国、反ロシア…」などという発言も複数回あって、とにかく「よりより未来のために、既存の社会の枠組みを超えて新しい世界観を形成してみよう!」みたいな意気込みは微塵もなく、ただただ既存の世界を既成事実として受け止め、その中でいかに優位に振舞っていくかを検討してた…。
これは、単にこの授業を非難したくて書いているのではなくて、こういう態度は世の中では広く一般的で、そしてこういう態度こそが、調査報道など社会を変えようという動きに厳しい視線を投げかけているんだろうなーと私が思っているから。
保守的になるのはよくないよね。保身のために、おかしなことを認めていきたくない。だけど、おかしなものに反応していったら、きっと出世はできず、つらい生活を送ることになるんだ。どうしたらいいんだろう。
このブログで何度か書いている写真サイトのマニュアルも、この保身とか保守的が大きく影響している。理想は非常に高いのだけど、私の技術じゃそれを卒業までに完成させることができないの。だから、難易度を下げて、お茶を濁したものになっている。そんなもんでいいのかなーと心から疑問に思っている。

Friday, January 21, 2005

3冊の本を注文

昨日アマゾンで3つの本を注文した。

12月28日に書いたように、"Abramovich"を読み終えたら次の本を注文しようと思っていた。
注文したのは、バージニア・ウルフの"Mrs. Dalloway"、デイビッド・サッターの"Darkness at Dawn"、アミラ・ハスの"Drinking the Sea at Gaza"。

"Darkness at Dawn"と"Drinking the Sea at Gaza"は前から読もうと思っていた。一方で、"Mrs. Dalloway"の方は、"めぐりあう時間たち"ですごくうまく引用されていたので興味を持った。
"Mrs. Dalloway"は近くの図書館にもあるので、そちらで借りてもよいのだけど、アマゾンで買っても525円だから買ってしまうことにした。たぶん、図書館で借りた後、全ページをコピーすることになると思うんだけど、その場合1000円以上かかってしまうから。

ところで今回は紀伊国屋のブックウェブで注文しようかどうか本格的に悩んだ。一度どこかでブックウェブの方を使いたいと思っているのと、今回はデイビッド・サッターの"Darkness at Dawn"のアマゾンの価格が抜群に高いので、ブックウェブにする利点もあった。
アマゾンだと、"Darkness at Dawn"は2128円。一方でブックウェブだと、1786円。"Mrs. Dalloway"もアマゾンは525円だけど、ブックウェブなら289円。
逆に配送料はブックウェブのほうが高くて、送料380円+代引き手数料200の580円。アマゾンなら198円だね。結局アマゾンだと合計4313円で、ブックウェブだと4242円で、ブックウェブのほうが70円ほど安くなる。

これはまたとない機会で、たいていはブックウェブの高額な送料がネックでアマゾンの方が安くなるケースが多いのだけど、それが今回は覆ったというわけ。ブックウェブを使っても良かったのだけど、最終的にやめたのは、ブックウェブは本を一括配送にすることができないから。
ブックウェブのほうは、ある意味良心的で、最初に380円と200円を一度払えば、本の発送が何回に分かれてもそれ以上お金が取られることはない。これは、本を早い順に配送して欲しい人には、とってもいいシステムなんだけど、私はめんどいなと思った。
というのも、代引きを使うと品物を受け取るのが結構めんどいんだよね。一人暮らしじゃないから、家族の誰かが受け取ることになってもいいように、前もって言っておかなくちゃいけないし、お金も渡さなくちゃいけないし…。
分割で配送となると、それを2度、あるいは3度やることになるかもしれない。そう思ったら、まぁ、70円くらい余計に払ってもいいや、ということで、アマゾンで頼んじゃうことにした。
あと、アマゾンで気に入っているのは、発送直前になると「この商品は発送準備に入っています。取り消すことはできません」という表示になるところで、あの表示が出ると「あー、あと十時間ちょっとで発送されるのね」ということが分かって非常に便利。
こういうサービスは紀伊国屋にもあるかもしれない。ただ、今のところ、アマゾンで文句はないので、アマゾンで買うことにした。

早く届くと良いな。

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前に書いたアマゾンの"The Oligarchs"の値段だけど、今では1644円と安いものに戻っているね。私が買ったときの1757円より安くなってるわ。これなら、問題なく買える。

ところで、紀伊国屋のブックウェブで買おうか悩むついでに、紀伊国屋のウェブ・ページでお店の在庫検索ができることを知ったのだけど、そこでいろいろ見ていたら、なんと"The Oligarchs"が新宿南店にあるんだって。6階の洋書のコーナーにおいてあるらしい。紀伊国屋の新宿南店の洋書のコーナーはなかなかに広くて、私も何時間か過ごしたことがあるけど、まさかオリガルヒ本がおいてあるとは思わなかった! 偉い!! 価格が2325円なので、そこで買うのはNGだと思うんだけど、「どんなの本なのかなー」と見てみる分にはいいよね。紀伊国屋で見てアマゾンで買うとか。

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私がアマゾンで買ってしまう理由は、アマゾンの日本語版は、特にたいしたことないサイトだと思っているのだけど、アマゾンの本家Amazon.comは非常に使えるサイトで、先ほども挿絵の話をしたりしたけど、大変お世話になっている。だから、アマゾンにお金を入れてあげたくなっちゃうんだよねー。

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紀伊国屋のブックウェブに関しては、今年中に使う機会が出てくると思う。クリスチャ・フリーランドの"Sale of the Century"のペーパーバックが4月に出るということは前にも書いたけど、この本は日本のアマゾンでは扱わないみたいだから。前にワーナーブックのサイトのリンク付きで、「こういう本が発売されるんですが、取り扱って頂けませんか?」というメールをアマゾンに出したのだけど、あれから1ヵ月半ぐらい経っても、リストに追加される気配がないし。
この本は、紀伊国屋のブックウェブには既に表示されていて、値段も表示されている。本が手に入らないという事態はなさそうなので、一安心。

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そうそう、マイケル・カニンガムの"The Hours"も手元にあって読まなくちゃいけない。"Abramovich"のあと、これに行くか、"Godfather of the Kremlin"に行くかで迷った結果、こちらには進まなかった理由は、きっと読み始めたら泣いちゃうから。DHCから出てる"めぐりあう時間たち"のスクリプトを読んでいたら、涙がぽろぽろ出てしまって、もしマイケル・カニンガムの原書の方でも同じ事態が起きてしまうとすると、これは電車の中では読めないと思ったから。涙を必死にこらえながら電車の中で読むより、一人でお家で好き勝手読んだ方がよっぽど楽しめるはず。だから、まだ読み始めてないというわけで。

"Godfather of the Kremlin"読み始め

火曜日から、ポール・クレブニコフの"Godfather of the Kremlin"を読み始めている。
あんまり時間が取れなくて、特に火曜日は同じ授業を受けている人と一緒に帰ったので、帰りの電車の中で読めなかったりのだけど、ちょこっと見た感じでは、非常に難しい文章だわ。1時間で10ページぐらいしか読めない。慣れればもう少し早く読めるのだけど、この調子だと終わりまでどのぐらいかかることやら。

使われている単語はそれほど難しくないのだけど、文章の構文がなんだか分かりにくいの。挿入が多い感じもする。だけど、理由ははっきりしない。
あとは、テーマのせいかな。今のところ55ページまで読んだのだけど、最初は1990年代前半のモスクワのギャングの紛争の話が書いてあった。
チェチェン・マフィアがモスクワに進出した頃で、もともとのスラブ系(つまりロシアとかウクライナとか)のマフィアと大きな抗争になったんだとか。なんでそういう話がこの本に出てくるかというと、ボリス・ベレゾフスキーは、チェチェンのマフィアと仲良くなって、支配基盤を確立していったというのが一つの見解だから。クレブニコフはこの見解を支持している。

ロゴバスというのがベレゾフスキーが有していたオフィスなんだけど、その近くで打ち合いが何度もあったんだって。ベレゾフスキー自身暗殺未遂にあったのは結構有名な話で、彼のメルセデス・ベンツがオフィスから出て少し走ったところで、道に駐車されていたオペルにつみこまれていた爆弾が爆発し、彼の車を運転していた運転手が死亡し、その横に座っていたボディガードは失明し、ベレゾフスキー自身も大怪我を追った。
このときの半壊したメルセデス・ベンツの写真が、"Godfather of the Kremlin"の中に載っているはずなのに見当たらない。Amazon.comで検索すると出てくるのだけど、写真が載っているのはハードカバーだけなのかもしれない。まったくもう! これは罠だわ。ペーパーバックには写真を挟まないなんて思っても見なかった。"The Oligarchs"のペーパーバックにはきちんと写真が挿入されているのに。しかたがないから、後でAmazon.comのほうで写真のページを検索して保存しとかなきゃ。
ベンツのページの画像だけは、昔保存しておいて、手元にあるのだけど、写っているベンツはそんなに大破したという印象ではなく原型は留めている。ただし、左の前輪のタイヤはパンクしていて、説明によると、左の前席には運転手の死体が乗っているのが見えると。前の左のドアの窓枠は剥がれ落ちそうになっている。

このような事態が起こることに関して、12ページにRUOPモスクワのトップだったブラディーミール・ルシャイロ将軍の発言が引用されている。
『多くの人は、ビジネスマンが殺される理由を、'単に彼らがビジネスマンだったからだ'と考えている。でもそうじゃない。請け負われて行われる暗殺の調査結果は次のようなことを示している。穏やかな言い方をすると、その殺人を依頼、もしくは実行したまさにその人物と、被害者には何らかの不可解な関係がある。きちんと法律を守る市民、つまり法を犯さず、税金を納めるような市民は、誰も殺さないものだ。』

そうだねー。これには、私も完全に同意する。2つ前の投稿から話を繋げると、クレブニコフが殺されたのは確かなんだけど、だからといって、モスクワに行ったら、皆が殺されちゃうかといったらそうではなくて、殺されるには理由があるんだ。
こういうふうなことを書いているときにいつも思い出すのが、プラウダのオンライン版に出てたアレクペロフの話で、アレクペロフを非難するような新聞広告をイズベスチャに載せようとしたアレクペロフの元パートナーが、その後誘拐されるか殺されるかしたというあの話。

これが私にとってのオリガルヒのもう一つの一面だ。ただ単に政治的にコネを使って莫大なお金をせしめただけでなく、周りの人々を排除していくような。
この一面に関して、"Godfather of the Kremlin"はいろいろな調査をしているように思われる。


"Godfather of the Kremlin"に書かれていうのはデタラメだという向きもあるけど、私はきちんと調べられているように思うよ。これは、私が基本的には調査報道(investigative journalism)をすごく重要視していて、この方向に進んでいるものを高く評価したがるからというのもあるかもしれないね。
アンナ・ポリトコフスカヤに対する視線も似たように厳しいものがあって、「彼女の本はデタラメだ!」みたいに思う人も多いと思うけど、やっぱりあれは事実だと思うし、全体像の一部でしかないかもしれないけど、確かに苦しんでいる人が大勢いて、そういう人たちのことは無視してはいけないと思う。ジャーナリズムというのは、基本的にそういうふうに、弱者に味方するようなものであるべきだと思う。

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というわけで、のっぱなから期待できる内容の本。こういう本を待っていたのよ!
こういう"Godfather of the Kremlin"みたいな本を読むと、"The Oligarchs"とか、"Abramovich"には、ほんと、何にも書いてなかったんだなーと思う。何にも調べてないじゃん! ってね。
だけど、思い出さなくちゃいけないのは、やっぱり、この手の調査報道は仲間外れみたいなもので、世の中ではあんまり認められてない情報なの。そういう意味で、入門ということでは"The Oligarchs"みたいに、波風立たない本にも価値があるなとは思う。"The Oligarchs"の書評でも書いたけど、どれが調査報道的な暴露なのかを理解できる程度の背景知識を持っていないと、自分の立つ視点を決めにくいと思うから。
そんなわけで今後が楽しみ。もっと早く読めるようになりたいな。少なくとも、1時間10ページよりももっと多く。

"Abramovich"書評

ここでは、"Abramovich"全体に関する書評を。

結論としては、「読まなくても良いかなー」という感じ。学術書ではないし、ここで新たな事実が明らかになるってことはあまりないの。だけども、「読んでも良いかもしれない」とも思う。
「読むべきか?」という質問には、「何を期待するか?」によって受け答えが変わると思う。

学術書を期待するなら、この本を読む必要はない。一方で、軽めの本を読みたいなら、この本はばっちりおすすめのような気がする。
オリガルヒ本としては、情報の集大成みたいな"The Oligarchs"のほうがずっと詳しい。だけど、あちらに出てきたエッセンスは、"Abramovich"にも余すとこなく凝縮されている。オリガルヒに関してちょこっと知りたいだけなら、"Abramovich"一冊でもいいかなーぐらいに思える本。
また、後半のタイブロイド調の文章は、軽くさらっと読みたい向きにはおすすめ。アブラモビッチがどんな華やかな生活を送っているか知りたい人にもおすすめだよ。

その一方で、この本の問題点は、この本をオリガルヒ研究本として読むときに露になる。研究書として読むのは避けた方が無難だと思う。
この本は調査報道をする気はあまりないようで、例えばどの権益を使ってシブネフチを手中に収めたかとか、のし上がって行く上でどのビジネス・パートナーと袂を分けたか(つまり、誰を殺したか)とかいうことはほとんど書かれていなかった。
オリガルヒについて迫るには、その暗い過去を暴いていかなくちゃいけないと思うのだけど、そういう面では物足りなく感じることが非常に多かった。
特に前回の投稿でも書いたように、アブラモビッチの過度に同情的な記述も見られ、「そんなにアブラモビッチを擁護してどうする?」と思うことも多々ある。

ただし、オリガルヒ研究本として、全く役に立たないかといったらそうではなく、4つほど重要な情報を教えてくれた。
1. 1998年の時点で、既にアブラモビッチをクレムリンのNo.1と見る向きがあった。
2. アブラモビッチは、プーチンが最初の閣僚を決める際、面接に立ち会った。
3. プーチンが就任後、オリガルヒを呼び集めた際には、アブラモビッチは呼ばれなかった。(呼ぶ必要がないほど両者は親密だったということ)
4. チュクチ州で会社を登録するのは、単に税金をその州に納めて、チュクチ州を潤わせるだけでなく、節税のために必要なことだった。

あれれ、これだけだったかなー。でも、実はこの情報っていうのは結構他の本では漏れている領域で、大事なんだよね。
今の代表的なオリガルヒ研究本っていうのは、エリツィン時代の終わりに書かれたもので、プーチンになってからアブラモビッチがこれほどのしてくることは想定されていなかったの。だから、アブラモビッチの扱いがとっても少ない。
2番のアブラモビッチがプーチンの閣僚決定に関係していたなんていうのは、非常に重要な情報だよね。
また、1番の「1998年の~」というのも興味深い。これまで、アブラモビッチが出てきてからのオリガルヒ研究本というのがあまりないので、アブラモビッチがいつごろから権力を握り始めたのかが良く分からなかった。1番の情報は、エレーナ・トレグボワの本からの引用なんだけど、もともとはトレグボワと当時の大統領副補佐官のヤストルシェムブスキーの会話にあったもの。大統領副補佐官が言っていることならある程度信用をおいても良いんじゃないかな。1998年の時点で、アブラモビッチがクレムリンの影の最高権力者だった可能性は高い。

ということで、大いにおすすめすることは出来ないのだけど、それでもいくつか重要な情報を教えてくれた本だった。
「他に読む本がないなら、読んでもいいんじゃないかなー」という感じの本。

"Abramovich"読破

月曜日に"Abramovich"を読み終わった。ここでは、月曜日に読んだ分について少し触れてみたい。

258~275ページは、Making Yuksiという章で、シブネフチとユコスの合併の話が書かれていた。その最後の274ページにクレブニコフの発言が引用されていた。この発言は私も引用してみたい。2004年の7月のイズベスチャに掲載されたものだそうで、クレブニコフが7月4日、銃殺される7時間前にこんなことを言っていたそうだ。
『シブネフチとユコスを比べて欲しい。公式、非公式を問わず、ユコスに対してはあらゆる非難が、つまり脱税や愛国心のなさや政治的な野心だのに対する非難がなされているが、シブネフチはユコスよりもずっと酷い。にも関わらずシブネフチは栄えて続けていて、クレムリンの支持を得ている。ユコスがこなごなに解体される一方で。』

これはぜひとも注目しなくてはいけない事実。つまり、脱税や、その他のことを理由に、ユコスを潰すのであれば、シブネフチも潰さなくてはいけない。だけど、それはなされてないの。つまり、ユコスが潰されたのは、脱税などが理由ではないってこと。この発言はそれを非常に明らかにしているんだよね。
ここで、クレブニコフの名前が出たけど、クレブニコフについて興味深いのは、彼が撃ち殺されたとき、それに対する悔やみや、殺した勢力に対する非難は聞かれたけど、「彼には殺されるいわれはない」みたいな、“クレブニコフ=無実説”は強くなかったと思う。周りの人は皆分かってた。こんなことを書いてしまって、彼が標的に上がらない理由はない、と。
同じことはポリトコフスカヤについてもいえるね。あれだけのものを書いておいて、命が狙われない理由はない。あそこまでチェチェンの問題に光を当ててしまったらその反動が来ないはずがない、と。今のロシアっていうのはそういう国なのね。それは必ずしもプーチンだけの責任ではなく、エリツィンや、エリツィン時代の要人の責任も大きいと思うのだけど、とにかく今のロシアっていうのは、「死を!」みたいなことがまかりとっているような感じ。
ただこれに関しては、"Godfather of the Kremlin"の最初の方にもっといい説明があったので、後でそちらに触れる予定。

276ページからは、The Price of Wealthという章で、この辺りから、「ミッジリーとハッチンズはどうしてしまったのか?」ってぐらいに、変なことになっている。
少し前からタブロイド気味て来たのだけど、ここでは『お金は人を自由にするというが、アブラモビッチほどお金を持ってしまうと、お金の虜になってしまう』という書き出しで、いかにアブラモビッチが富のおかげで苦しんでいるかが書かれていた。

公園を歩くとか、オックスフォード・ストリートで買い物を楽しむといった単純なことができないんだと書かれていたのだけど、私に言わせれば、フィニング・ヒルという何エーカーもある公園みたいな家を持っているのに、どうして公共の公園をわざわざ歩かねばならないのかい??、と。
アブラモビッチが、ゆっくり歩きたかったら自分の広大な家の周りを歩けばいいだけで、わざわざハイド・パークを歩くことなんかないじゃん! それなのに、この章では、「アブラモビッチがいかにボディガードを雇い、彼らに守られる形で逃げるように暮らしているか」に注目が当てられていたの。まったく。
アブラモビッチが莫大な金を手にした影で、シベリアの凍てつくような街でどれだけの人生が破壊されたか…。考えてごらんよ。

その後は、チェルシーはまだトロフィーを獲得してないだの、ラニエリ監督はいろいろチームのフォーメーションをいじるのが好きだったとか、この後は宇宙旅行でもするんじゃないか、みたいなことが書かれて終幕となった。
ところどころでモウリーニョの話が出てきたけど、モウリーニョってば、むちゃくちゃ傲慢っぽいね。チェルシー・ファンだった私、モウリーニョのことはもうとっくに知っててもおかしくないのだけど、このところ、チェルシー自体に興味を失っているせいで全然情報を追ってないから、"Abramovich"の中でちょこちょこっと引用されたモウリーニョのコメントを読んでぶっ倒れそうになった。もしあの通りに描かれた人間だったら、傲慢どころの騒ぎではすまないと思う。

学期末でレポート三昧-一本はロシア関係

3~4日のあいだ更新してなかったけど、それは決してサボっていたわけでも、「めぐりあう時間たち」を見まくっていたわけでもなく、学校が学期末にさしかかり、いろいろと忙しくなったから。実は、"Abramovich"を既に読み終え、"Godfather of the Kremlin"に入ってる。今日は少し時間が取れるので、3本ぐらい連続で投稿する予定。

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このところ新しく買ったマウスの話に熱中してて書き忘れてしまっていたのだけど、新年になってから2本のレポートを仕上げた。一つは先週の火曜日に、もう一つは今週の月曜日に。
先週のほうは、日本政府が取り組むべき外交課題をテーマとして4000字以上書くというというもの。結局このレポートも当日の朝まで手付かずだった。出発の2時間ぐらい前から書き始めたけど、めずらしく手間取っちゃって、予定の時間に家を出れず、25分ほど授業に遅刻してしまった。書き始めたらささっと終わったのだけど、何を書こうか決められなくて、ものすごく悩んだ。
「外交課題」に関して、書きたいことは山ほどある。イラクのことも、チェチェンのことも、難民受け入れのことも、書きまくりたい。だけど、この授業はかなり保守的で“日本の政府の立場から「国益」について論じよ”みたいな授業だったわけ。初回の授業では、もっと外交を「人類の共栄」みたいな方向から分析するような感じだったのに、その後かなり国粋主義の方に突っ走っていた。そういう授業に真っ向から対抗するようなことを地球市民の立場から書きたいとも思ったのだけど、レポートの設定が「政府への政策提言になるようなもの」だったので、どうしても無理なのよね。だって、“難民をもっと受け入れるべし”という主張を、論理的に、経済優位的に、たったの2時間かそこらで、資料も何にもなしに、書くなんて絶対無理!
(そう、その日の朝から書き始めるから、私の場合、関連文献を読んでる暇なんてない!わけで、 手元にある資料だけで書かなくちゃいけないの。)

難民受け入れ問題は無理だし、イラク撤退も難しい…。具体的なことを書けるのはやっぱりロシア。ロシアだと北方領土問題があるなー、と思ったところで、この問題を取り上げることにした。
結論としては「プーチン大統領は手ごわいので、今早急に日ロ平和条約を結ぶことはせず、彼の失脚を待ってから交渉にかかるべし」と。
このところ北方領土問題は何気に注目されてて、昨年の秋には日本の首相が北方領土を初めて船から視察したとか。
二国が外交に挑む際には、どちらかがある程度譲歩することが必要なんだけど、プーチン大統領に関しては「譲歩」の‘じょ’の字もないように思われる。
(いや、実際には、ところどころで譲歩する動きはあるんだけど、それが彼の行動に繋がる前に、立ち消えてしまうのよねー。)

アンナ・ポリトコフスカヤの"Putin's Russia"から、「彼は討論の意味を知らない」といった文章を引用しつつ、プーチンの支持基盤である統一ロシアがいかにロシアの下院議院で圧倒的な勢力を保持しているかなどを書いて、「プーチンを相手に交渉をするのはやめるべき」というレポートを書いた。ホドルコフスキーや、KGBの話も交えつつ。"The Oligarchs"から、ドレンコか誰かがプーチンについて言及した部分も引用したかったのだけど、短い間でどうしても探せず諦めざるを得なかった。惜しかった。
いろいろ手間取ったため、本来家を出なくちゃいけない時間になっても書き終わってなかった。4000字以上という指定だったので、4000字で終えとけば良かったのに、話題に切りがつかなくて結論まで達せなくて、5000字ちょっとになったのも遅刻した原因の一つ。でも、25分遅れで教室に入り込めて、普通に提出できたので問題なし。実際には教師にメールで送っても良かった。それが私のやる気を削いだ要因の一つ。いざとなったら、学校から帰ってから続きを書いてメールで送れば良いや、って思ったもん。
たぶんレポートは当日の朝ではなく、もっと前に仕上げておく必要があるのだと思うけど、どうしても無理。なんだかやる気が起きない。そういえば、一ヶ月以上前から言っている写真サイトのマニュアルがまだ完成してないこと、書いたっけ? きちっと誰かが締め切りを決めてくれない限り、自分で完成させるのは絶対できないよー。

もう一つは、アフリカに関する論文。これは英語の授業だったので英語で。この日は、2限が休講だったので朝の10時40分に家を出ればよかった。朝の5時過ぎに目が覚めた後、すぐに取り掛かればいいのに、結局本腰を入れたのは7時半になってから。でも、出発の3時間以上前もから取り掛かったのは偉い! 何気に新記録かもしれない。
これは英語で900語書けば良かったの。「900語なんて関心のあるテーマなら1時間でしょ」と思ってしまったのが運の尽きで、そのせいで当日の朝まで手付かずになってしまった。今学期は全部で4本のレポートを書いたけど、その全てが当日の朝まで一文字も書いていなかったという恐ろしい事態だった。

「9.11がアフリカにどのような影響を与えたか」などというテーマ(テーマは3つ)について、300語ずつ書けば良かったので、あまりどうという内容で、1200語ほど書いた。なんとなくしまりのないレポートで、面白みにかけるのは自分でも分かったのだけど、どうしようもなくて、そのつまんない状態のまま提出してしまった。これはあんまりよろしくない。

こういうふうにレポートを書いていくことについて、罪悪感を感じた時期もある。特にたいした閃きもない人間が、あまり勉強してない分野について記述するのは大間違いだと思う。時々自分のレポートが、学問に対する究極の冒涜じゃないかと感じた。
だけど、時を追うにつれ、私の神経は麻痺していった。だって、こういうふうに書いたレポートでAが来るんだもん。それはもう恐ろしいばかり。Aばかりとは言わないけど、Aは多いね。そして「2時間で書いたレポートでAが来るのに、どうしてそれ以上のことをしなくちゃいけないのさ?」と思うと、私は堕落の道を突き進んでしまうのである。『私は悪くない。私は悪くない。」と言い聞かせながら…。

この態度は芳しくないなーと、自分でも思う。人間、もっと精進することを覚えなきゃ! だけど、「そんなにまでして、生きていきたい?」、「そんなにまでして、いい人間になりたいの?」とシニカルな私は思ってしまうのである。
そんなにまでして(=頑張ってまで)、生きていくことはないんだよ、と思う。

Sunday, January 16, 2005

マウスとヨットの話

また脱線投稿を…。

半ば無駄話だけど、ブログのテーマと無関係ではないし、書いておきたいので、ささっと買いちゃおっと。

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金曜日にマウスを買ったわけだけど、昨日一日と今日6時間ほど使ってみて、まぁまぁ使いやすいマウスであることを確信した。たぶん、前のやつよりもいい。ただし、これが最上のものかというと全然そんなことはなく、100点満点なら80点ぐらいかな。でも、前のやつが75点だったから、それよりは上になる…、と。

問題点を具体的に書いてみると、まずはその大きさ。Pilot Mouse Optical Pro5は縦が約14.4cm、幅が約7.9cm、高さが約4.3cmと大きなマウスなの。
けれど、私の手に大きいマウスは合わないわけの(ただしこれは、昔マイクロソフトのデカいマウスを使っていたときに実感していたから、今回の購入は、合わないのを承知の上だったことを認めなくちゃいけない...)。
ほら、マウスに手をかぶせた状態で、手の平の手首側の部分を机にこすりつけるとマウスタコができるでしょ。あれが嫌だから、マウスを持つときは手全体をマウスの上に乗せて、手はどこも机に触れないような持ち方で作業することにしてた。
この持ち方と私の手の大きさだと、バッファローのBOMCシリーズのMサイズが最適で、中でもBOMC-MCBというクリア・ブルーの色のものを愛用していた。これは、もう私の手とマウスが運命的な出会いを果たしたとしかいいようがないほど手にぴったり納まるマウスで、もしこのマウスが3ボタンじゃなくて5ボタンだったら、他には何にも要らなかったと思う。本当に大きさはばっちりで、親指で左クリックを押すときも、親指でホイールを回すときもこれ異常ないってぐらいぴったり扱うことが出来た。

だけど、このマウスは3ボタンしかないの。大きさはぴったりだけど機能が足りない。実は土曜日、一日ケンジントンのPilot Mouse Opticalを使った後、やっぱり大きなマウスの使い心地がよくなくて、バッファローの方を右手に戻して、ケンジントンを左手用にしてみた。
でもそうやって使ってみて気が付いたのは、やっぱり5ボタンのほうがずっと良いということ。大きさが合わなくても、それ以上の長所がある。ケンジントンのマウスは、マウスのボタンを割り振ることができて、1と2のボタンを一緒に押した場合には「戻る」、4と5のボタンを一緒に押した場合には「ウィンドウを閉じる」といったコマンドを割り振ることができる。だから、例えば、インターネットを使っているときに不要なウィンドウは4と5のボタンを同時に押すだけで閉じることが出来たし、シフトを押しながら1と2のボタンを押せば作業中のウィンドウを最大化できたり、という機能を味わった後、もはや3ボタンには戻りたくないのだ。

5ボタンは本当に便利。マウスの大きさが大きいので、今までのようにマウスに手の全体重を乗せるような持ち方はできないから、明日ビックカメラに寄り、マウス用の手首乗せと大き目のマウスパッドを買ってこようと思う。更なる散財だけど、このマウスをあと何年も使うなら、そういう小道具が是非とも必要だから。

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以上がマウスの話、ここからはもう一つの無駄話。これはアブラモビッチに関係していることだよ。
無駄話第二弾は、ヨットについて。アブラモビッチはヨット好きとして知られている。彼は、白いペロラスと船腹が黒で上の部分は白いグラン・ブルーという二隻の超巨大超豪華ヨットを所有しているで有名。ペロラスに関しては、"Abramovich"にも写真が掲載されていた。
船に関して詳しくは、ゲッティ・イメージで検索をかけたらいいかも。報道的な見地から、アブラモビッチが船から下りてくるところの写真などが掲載されている。比べてみれば分かるけど、ペロラスのほうがずっと豪華。でも、グラン・ブルーにも古風な美があって甲乙つけがたいものもある。

もしこのブログを読んで下さっている方が、ヨットについてあまりご関心がなかったら、是非ともどこかでヨットの写真をご覧になって欲しいな。世界観が変わるよ! 私も、「何よ、ヨットって?」、「なんでわざわざ転覆の危険を冒してまで、海の上に出なくちゃいけないわけ?」と思っていたのだけど、この、特にペロラスの写真を見たときは、「あー、こんなヨットが自分のものだったら、海に出たくなる気持ちも分からんでもない」と思ったね。昔、横浜でボートに乗ったときは、船の中で、もう史上最高なお昼寝をすることが出来た。香港からマカオに高速ジェットで行ったときも、すやすやと気持ちよく寝れたし、船の、あの、のんびりとした振動は、ものすごく素晴らしい眠りをもたらしてくれるんだよねー。ただ寝るためだけにヨットに乗るのもいいかもしれないと思う…。

それはいいとして、とにかく、アブラモビッチが所有しているボートというのはものすごく豪華。アメリカのヨット雑誌のパワー&モーターヨットというのがこんな記事を出している。世界で最も大きいヨットベスト100を特集したもの。
アブラモビッチのペロラスは5位に、グラン・ブルーは6位に入っている。ついでに、エクスタシーが16位に。トップ10に2台、トップ20で3台の巨大ヨットの持ち主であるアブラモビッチ。なんとまぁ!
3つの中で一番小さい(といっても世界で16位で全長86m)エクスタシーのことは、"Abramovich"の233ページで触れられていた。ただしそこでは、「新しい船が建造中、プロジェクト790と呼ばれている」としか書いてなくて、この船がエクスタシー(Ecstasea)という名前で、既に完成したってことには触れられてなかった。

かつて船についてちょこっと調べたんだけど、そのときEcstaseaという名前は何度か見かけて、「なんとも破廉恥な名前だこと」と思っていたのだけど、それがまさかアブラモビッチが所有するものとは思わなかったよ。これは、彼が名付けたんだろうね。グラン・ブルーとペロラスは、それぞれアメリカとサウジアラビアの前所有者から買ったものだけど、エクスタシーは彼が注文して作った船だから。なんでも、船の大きさの割に巨大なエンジンを積んでいるそうで、このクラスのものとしては画期的なスピードがでるとか。これは"Abramovich"に書いてあった情報。

とにかく、そんな情報はどうであれ、一度写真を見れた、百聞は一見にしかずで、写真を見たら、これらのヨットが、単に「ヨット」という定義の曖昧な単語からは想像もできないほど、すんごいことになっているのが分かると思う。
この世にはヨットを見るのが好きな人々がいるようで、彼らのことはヨットスポッターというらしいんだけど、とにかくインターネット上にヨットの写真をバンバン載せてくれてる。これは、私には結構親しみのある行為で、私自身もビル・スポッターのようにビルの写真をとることもあるし、あるいは、飛行機スポッターがたくさんの写真を撮影しては公開してくれているのに大変助かったりしている。こういう動きは最高に楽しい。飛行機ならairliners.netがとにかく最高で膨大な資料が載っかっている。
船ならどこかがいいのか分からないくて、ちょっと捜しにくかったのだけど、どうやらWebshotsに、何人かの強力なヨット・スポッターがいるらしく、ものすごい量の画像を見ることが出来た。
ペロラスはPelorus、グラン・ブルーはGrand Bleu、エクスタシーはEcstaseaで検索すれば出てくる。グラン・ブルーはフランス語からとっているのでブルーの綴りが英語とは違うのと、エクスタシーはもじっていて最後がseaになっている点に注意。
ついでに、カリンシア7(Carinthia VII、世界で9番目に大きいヨット)もご覧になると、豪華ヨットのものすごさが感じられると思う。カリンシア7は写真を見ただけだけど、すっごいデカそうだし、デザインも最高にきれいだし、こんなのに乗ったら楽しいだろうなーと思う。
アブラモビッチのヨットももちろん半端じゃなく素晴らしくて、ペロラスは栄華の極みだし、エクスタシーもすっごい美しいし、グラン・ブルーは乗せてあるボートが非常に巨大(ヨットに乗せられたボートしては世界一だそう)。彼の富のすごさを理解できると思う。

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面白いのは、フットボール・ファンとしてアブラモビッチのことを知り、調べている私がいるのに対して、ヨット・ファンとしてアブラモビッチのことを知り、アブラモビッチのことを調べている人がいるだろうということ。ヨット・スポッターとしては、アブラモビッチは絶対の注目だろうね。エクスタシーは昨年完成したヨットの中で、世界最大だし、乗せてるエンジンが他に例を見ないほど巨大なものだから。様々な分野でアブラモビッチは人騒がせに話題を作っているんだなーと思った。

最後にもう一点。このウェブショッツのサイトで、たくさんの写真を検索して表示させダウンロードしたのだけど、そのとき、先に述べた5ボタンがものすごく役に立った。何せブラウザを閉じるのを、右手の親指のみでできるんだもの。あと私の場合、ウィンドウを最大化するのが好きなんだけど、それも作業中は1と2のボタンを押すだけでできるように変更して作業したら、以前よりもずっと楽に作業を進めることができた。5ボタンのマウスはとっても偉大だと思う。

Saturday, January 15, 2005

"Abramovich"が面白くなってきた

冬休みの間、パラパラとページをめくったりしつつ、一昨日学校を往復した際に頑張って読んで、254ページまでたどり着いた。一昨日の一日で160ページから251ページまで読んだのが大きい。

この本は長らく'寄せ集め'の感が強く、あんまり楽しくなかったのだけど、ようやくオリガルヒに関する説明の部分が終わり、アブラモビッチとチェルシーの関係の記述に入った。そこで、文章の質がググっと変わったような気がする。それまでのお堅い文章ではなく、当てこすりをするような、皮肉っぽい文章になったの。そして、それがとても面白い。
著者のミッジリーとハッチンズは、王室の暴露本を書いたりするような人々で、タブロイド向けの文章が似合ってるんだと思う。特にミッジリーはデイリー・メールとかデイリー・ミラーに書いてたことがあるだから、そういう方向性が合ってると思う。

そんなわけで、文章が軽くなって、読みやすくなったところで弾みがついた。ところどころ、難しいところもあるんだけど、終わりまで一気にいけるかな。出来れば今週中に、少し時間を取って読み終わらせたい。

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今回読んだところには、そんなに重要な事実はなかった。チェルシーを買う際に、どの代理人と連絡をとったとか、ケニヨンがどうたらとか、エリクソンがどうたらという、軽い話が多かった。後、ラニエリがどうたらとかね。この辺りの話は私が既に知っているものも多かった。既にチェルシー・ファンだったから、ニュースを追っていた。
アブラモビッチがチェルシーを買ったところで、彼が私の人生にやってきたの。

フットボール関係の話は、オリガルヒ研究とは関係ないのですっとばすと、重要なのは3点ぐらい。

1つ目は、146ページからの第8章のA People Set Apartに書かれていたこと。これはユダヤ教の団体の話。ロシアにはハバドとRJCという二つのユダヤ教の団体(←これは、ロビー団体といったらいいのかな)があって、それでアブラモビッチはハバドのほうをサポートしており、プーチンも同調しており、ハバドのシナゴーグにプーチンがやってきたりする。一方で、グシンスキーはRJCを影から主催していた。
これは結構難しい情報。グシンスキーは異端児だったけど、場合によってはエリツィン政権のほかの面々と共に行動してたし、このユダヤ教の団体がオリガルヒの行動を決める上で重要な働きを果たしたとは思えない。けれども、特にハバドなんかは、何気に力を持っているような気もするし…。評価は保留しなくちゃいけないね。
一方でこの話が、デイビッド・ホフマンの"The Oligarchs"に全く出ていなかった点が興味深い。ホフマンが勤めているのはワシントンのワシントン・タイムズで、ここはかなりの保守だし、ユダヤ教の勢力が強いはずだから、ユダヤ教について深く書けなかったんだと思う。その辺りが"The Oligarchs"の限界だね。
(ま、他にも欠点は多数あるのだけど。)

2つ目はアブラモビッチがチュクチ州の州知事になった経緯。実はアブラモビッチは、チュクチ州の知事として、州内の企業に税の優遇処置を与える権利を得ていたの。シブネフチなんかも、会社の一部をチュクチ州で登録することで、かなりの額の節税に成功した。ルクオイルなどよりも、ずっと低い税率の金しか払ってなかったんだって。例えば、2001年は9.9%で、2002年は12.6%でと。これは、ルクオイルの24%よりもずっと低い。
だからアブラモビッチは、慈善としてチュクチ州の知事になり、チュクチ州に多額の税金を納めることで、その地域を潤わせているという側面と同時に、チュクチ州に税金を納めるということで、多額の税金逃れをすることに成功しているわけだ。とてもしたたか。この辺り、すごいね、アブラモビッチ。

3つ目はスラブネフチの売却の件。これは2002年の話で、プーチン登場以後の事件だね。ここでは、フリードマンのTNKと共同でアブラモビッチが、当時、まだロシアの国有の石油会社だったスラブネフチを民営化したという話。民営化という名のもとで私物化し、搾取するというのも今までと同じ話。
2002年に民営化が行われているんだね。そのことすら知らなかった。それもそのはずで、今まで読んだオリガルヒ本は"The Oligarchs"一冊だし、あの本は2002年ものだからそれ以後の話を私は知らない。
ニュースはいろいろ検索して読んでるけど、それでも抜け落ちてしまう部分がでてくるね。それがスラブネフチの民主化だというわけで、この話はきちんと調べておかなくちゃ。
確か、この件では、アブラモビッチとアレクペロフが対立しかけてたと聞く。プラウダのインターネット版にそんな記事があったとのを覚えている。

というわけで、内容が少し薄いけど、本のまとめ。

ユガンスクネフチガスの売却についても調べなきゃいけないよね。オークションでバイカル・フィナンス・グループの代理人として出てきた人はスルグトネフチェガスの社員で、スルグトはバイカル・フィナンス・グループがオークションに参加するために、預け金を払わなきゃいけなかったとき、ガスプロムが金欠だったから、お金を貸したらしい。そして、そのお金はガスプロムの持っていたどこかの油田開発の権利をスルグトに売ることで返したそうな。
もっと、ちゃんとしたニュースソースを付け加えて書きたいと思っているのだけど、何せこのところ『めぐりあう時間たち』を見るのに忙しくて、時間が足りない。
"Abramovich"の後は、ポール・クレブニコフの"Godfather of the Kremlin"を読もうと思っていたけど、その前にマイケル・カニンガムの"The Hours"をいれちゃうかも。"The Hours"は、フィクションだから速く読めるだろうし、230ページだし、今、『めぐりあう時間たち』に燃えているうちに読んでしまいたいの。

近状報告-三日間で一万円も使ってしまった

前回の投稿からだいぶ時間が経ってしまった。"Abramovich"はそれなりに読んでおり、その話も書くつもりなんだけど、その前に今回は近状報告ということで、わき道へと。ダイレクトにオリガルヒの話題じゃないのだけど、このサイト作成とも少し関わってくるかなー程度の話。

実は過去3日間で1万円も使ってしまい、大変な衝撃を受けている。
手始めは、水曜日に本を3つ買ったこと。でもこの話は、まずお正月に『めぐりあう時間たち』という映画を見たことから始めなくちゃいけないと思う。
大晦日に、ケーブル・テレビで『めぐりあう時間たち』を見た。それがものすごく面白かったので、もう一度見た。そうしたら、もう大感激してしまったの。2度目に見たときは、これはもう尋常じゃないと思うぐらい、泣きまくってしまった。普通に‘ポロリとする’ようなレベルではなく、鼻水が出てくるような泣き方と言ったら、イメージがつかめるのではないかと思う。とにかく、主人公のバージニア・ウルフにも、ローラ・ブラウンにも、クラリッサ・ボーンにも、完全に共感してしまった。もちろん、レナード・ウルフと、リチャード・ブラウンにも。さらに言えば、ジュリアとサリーにも。そんでもって、ルイス・ウォーターズや、ネリーや、キティの動きにも心揺さぶられるものがあった。

というわけで、この年が明けてからは完全に『めぐりあう時間たち』にはまってしまい。既に、15回ぐらい見てしまった。見るたびに、しょんぼりしてしまう。だけど、2度目に見たときみたいに鼻水が出ることはなくなった。印象的なセリフはだいたい覚えてしまっており、先が読めているので、上手く映画に集中できない。心を込めてこの映画を見ることは、もうできないのかと思うと、それはそれで悲しいのだけど仕方ないね。
あれこそ、映画鑑賞の感動体験だったと思う。これまで、そんなふうに映画を見ることは一度もなかったんだ…!


以上が、サイトの更新が滞ってしまった言い訳というか。"Abramovich"を読むよりも、ビデオで『めぐりあう時間たち』を見たいというのが本望。そしてその通りにしたのだ。
それで、冒頭の話に戻るけど、この3日間で、『めぐりあう時間たち』の原作本と、字幕解説本と、サントラを買った。水曜日に池袋のリブロで本2冊(1554円と1260円)を買い、昨日の金曜日に池袋の東武のHMVでサントラを買った(2520円)。しめて5334円!
でも、これについては後悔してない。マイケル・カニンガムの書いた"The Hours"は、ピューリッツァー賞とPEN/フォークナー賞を受賞した作品だそうで、かなりの傑作らしいし、映画の方で大体のあらすじが分かっているから、私は気に入るに決まっている。字幕解説本も、セリフを全部教えてくれたので最高だった。細かいところで聞き取れないところがあったけど、ほとんどを解決することができそう。サントラも、すごくいいCDだった(今もサントラを流しながらブログを書いている)。思えばCDを買うのは1年半ぶりぐらい。前回買ったのはメルCの"Reason"で、2003年の4月ぐらいだったはず(5月の可能性も高い)。
本屋で本を買うのも11月10日以来だから、2ヶ月ぶりだ。あまりお金は使わないよう、節約しようと思っているのに、禁欲の誓いは2005年になって脆くも崩れ始めている。

他に何を買ったかというと、リブロで2冊の本を買ったついでに、モスクワの地図も買ってみた(1155円)。モスクワの地図は前から欲しくて、例えば"The Oligarchs"を読んでいるときも、重要な舞台となったスパロウ・ヒルがどこにあるのか分からなくて、悲しい思いをしていた。だから、この際買っちゃおうことにしたのだ。だけど、袋がきちきちに密閉されていて、店員さんに空けて中を見てもいいか聞こうかと悩んだけど、ビニール・テープで密閉されていたので、「これやダメだわ」と諦め、中を確認できないまま買ってしまった。ほとんど衝動買いの世界。
そして、家に帰って衝撃を受けたのは、半分はロシア語のみの地図だったこと。小さな冊子がついており、英語とロシア語の地名対応表があるのだけど、地図上の文字はロシア語のみ、裏面のクレムリン周辺の縮尺地図には、英語の表記も一部(←本当に一部のみ。地名の1割ぐらいに申し訳なさそうに小さな英語の文字を併記してあるだけ)入っているけど、モスクワの地名を探すのに、ロシア語しかのっていない!
表紙には、MOCKBAというロシア文字と共にMOSCOW city mapと書いてあったので安心しきっていたけど、こりゃ、大誤算だわ。だけど、まぁ、いいかなー。
今のところ、ロシア語が全然分からないという「なんちゃってロシア研究家」もいいところだけど、もっとロシアのことをきちんと研究できるようになりたいものね。このロシア語のみの地図が私をどこかに導いてくれると思う。それに、地図は手元に取っておけば、50年後とかに見直したりしたときに、「あー、あのときはクレムリンがまだあったんだー」とかと懐かしい思いに浸れるかもしれない。「とはいってもなー、雰囲気だけ味わうのに1155円かよ」とも強く思っている。たぶんモスクワの地図はいつか買い直すと思う。英語のものを。
ちなみにこの地図は、ハンガリーのカートグラフィア(Cartographia)という会社が出しているもの。
(モスクワの地図は、ロシア語のみでよいなら、こちらが詳しい)

それはいいとして、この3日間で一番の散財は間違いなく、新しいマウスを買ったこと。2週間ぐらい前からトラックボールが欲しくて、いろいろ調べているうちにケンジントンという会社のことを知った。一方でよくよく考えてみるとトラックボールは私には合わないかもしれないし、合うか合わないか分からないものに数千円も支払うのは間違っている。ということは、トラックボールを買うのはやめよう。
ただし、左手用のマウスがずっと前から壊れていた。ホイール部分が壊れて、動かなくなっていたの。ホイールが使えないと本当にマウスとして役立たずになる。でもこれは、数ヶ月前からで、左手でスクロールするのを諦めていたのだけど、新年になって、どうしても左手でもスクロールしたくなった。その方が作業効率が良いだろうから。
よし新しいマウスを買うぞ!と思った。それで、水曜日に池袋のビックカメラに行ってマウスのコーナーをうろついてみたところ、ケンジントンのPilot Mouse Optical Pro(5 button)というのが展示品として触れるようになっており、触れてみたところ、非常によさそうだった。結構大きさが大きいマウスで、大きいマウスは何気に使いにくいんだけど、ゴムの感触がたまらなく良かったので、ぜひとも欲しくなった。このマウスは5ボタンで、今まで5ボタンのマウスを持ったことはなかったのだけど、ブラウザの「戻る」と「進む」をマウスから操作できたら、それはそれは使いやすいだろうなーと思った。でも、その日は迷った挙句買わないで帰ってきた。

そして、昨日、金曜日にもう一度行って、買ってきてしまったのだ。
あー、無駄使い…。これは3690円もした。安いマウスを選べばその半額なのに。だけど、5ボタンで、右クリックと左クリックを両方押したときに別のコマンドを設定できたりと非常に使い勝手は良い。
大きさについては、やっぱり懸念した通りで、大きすぎて使いにくい。あと、底のシリコンの部分が良くなくて、マウスパッドを使わないと動かしにくい。ついでに、光学式のセンサーもよろしくなくて、このパソコン机は、表面が真っ白なんだけど、その上に直接置くと、動かしてもときどき認識してくれなくなる。だからやっぱりマウスパッドが必要になるわけで、結構めんどい。マウスパッド好きじゃないよねー。
こんなふうに、あんまりよろしくないものに、3690円も払った私。悲しいなーとも思うのだけど、デザインに惹かれてしまったのだから仕方ないね。でも、この気持ちは無駄じゃないはず。だって、美しいものを手に入れたいという気持ちこそが、これまで様々な芸術を支えてきたんでしょ。マグリットやピカソの絵を支えてきたのがこれでしょ。だから、そうやって美しいものを買いたいという気持ちは大事なんだ。そうに決まってるし、そうでも思わなきゃやってられないね。
このマウスも、上手い持ち方を見つけられたら、楽に使えるようになると信じてる。きっとその日がやってくるはず。

というわけで、合計10179円! 泣いちゃうほどの浪費だ。これからしばらくは少し倹約をしよう。いや、絶対に倹約をしなくちゃいけない。生きてくっていうのは本当に辛いもんだわ。

Tuesday, January 04, 2005

本を買う前に見比べる必要ありだわ

今回の投稿はオリガルヒに関連する事柄ではないけど、文献入手の留意点として書いてみたい。
アマゾンに何が起こったのかよく分からないけど、本の値段が一部でものすごくあがっている。

過去半年の間に私がアマゾンで買ったのは5冊。注文日と、値段を順に書いてみる。
☆8月31日注文
1. "Violent Entrepeneurs" 2394円
2. "The Oligarchs" 1757円
☆10月19日注文
3. "Putin's Russia" 1581円
☆11月24日注文
4. "Abramovich" 3267円
5. "Godfather of the Kremlin" 1517円

これらの本の値段を今見てみたところ、カッコで囲んだのは私が買ったときとの差額、右側は参考に紀伊国屋のブックウェブの今の値段。紀伊国屋は手数料がある場合、手数料を足した。
1. 2252円 (- 142円) 2531円×
2. 3489円 (+1753円) 2003円◎
3. 2093円 (+ 512円) 1691円○
4. 4421円 (+1154円) 3968円○
5. 1469円 (- 48円) 1602円×

注意点としては、私は紀伊国屋のブックウェブは使ったことがない。通販は、値段だけじゃなくてサービスも重要で、情報提供とか梱包とかスピードとかも大きな要素だから、紀伊国屋のブックウェブは私にとってはまだ未知数。
今まで紀伊国屋を使ってこなかった理由は単に値段が高いからだったんだけど、今アマゾンがこんなんなっている以上、紀伊国屋も選択肢に入ってくるね。紀伊国屋の値段は、基本的には高めで、実際、紀伊国屋の値段は5冊とも私が払った金額より高い。でも、現在のアマゾンより安い本もある。特に"The Oligarchs"とか。

とにかく、"The Oligarchs"の3489円という値段は、許しがたい。イギリス本の"Putin's Russia"とか、"Abramovich"の値段が上がるというのは、ここ数週間の円とポンドの動きを考えると、仕方ないかなとも思うのだけど、"The Oligarchs"はアメリカの本だからね。このところずっと円高なんだよ。
良く分からないのは、アメリカ本の"The Oligarchs"に、アマゾンで「U.K.定価: £14.99」という表示がされていること。なんだこりゃ? なんの定価なんだろう? Amazon.co.ukの売価が定価?
この本は、Amazon.comで、定価18ドル(1848円)から値引きされた12.24ドル(1257円)になっている。Amazon.co.ukでは、14.99ポンド(2931円)で売っている。そして日本のアマゾンでは、UK定価と称して14.99ポンドを表示させ、それを横線で消して3489円を出している、と…。
Amazon.comで注文したとしても、値段の12.24ドルに、8日から10日で届くExpeditedという発送方法を選び、配送料の8.99ドルと6.99ドルを足しても、28.22ドルで、2898円だからまだ安い。

アマゾンはすごく有名だしいいところだと思うけど、アマゾンでのみ洋書を手に入れられるわけじゃないし、購入の前に他の選択肢がないか、見比べてみる必要が出てきたみたいだ。

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余談だけど、今見てみたら、"Abramovich: The billionaire from nowhere"が、Amazon.co.ukの売上ランクの282位になってた。282位?? すっごい高い。
私が買う本で、こんなに高い順位の本なんて見たことないよー。
ちなみに、「"Abramovich"とセットで買え」とAmazon.co.ukが薦めてるのが、ホセ・モウリーニョについて書かれた"Jose Mourinho: Made in Portugal"で、こちらは71位だった。チェルシー関連の本って、売れるみたいね。今や人気チームの一つだし。一昨年はアブラモビッチ、去年はモウリーニョ…。来年は誰かまた新たな脚光を浴びる人が出てくるのかしら。

チェルシーっていうのは非常に興味深い。私はスポーツ・チームとしては関心がどんどん薄れてしまい、応援したり、選手の動向を追って一喜一憂したりということはないのだけど、チェルシーは私にとってなにかしら興味を惹く対象であり続けるんだろうと思う。