オリガルヒ

1990年代のロシアについて。主にオリガルヒ。時々チェチェン。まれにイラク、パレスチナ、その他紛争地。 自分はこれからどんな惨めな人生を生きていくことになるのだろう。考えている。

Sunday, March 20, 2005

"Sale of the Century"注文!

クリスチャ・フリーランドの"Sale of the Century"を紀伊国屋のBookWebで注文してみた。
8日前にいろいろ文句をつけた紀伊国屋だけど、アマゾンでは取り扱いを始める気配がないし、一方でこの本がオリガルヒ研究本として最重要本であるという事実は疑いようがないから。読まなきゃダメだって思い直したの。
前回のとき、あまりの項目の多さに辟易した会員登録のところでは、性別だけは書かなきゃダメだったけど、生年月日、勤務先、勤務先住所、勤務先電話番号、職業は空欄でOKだった。
必須条項の住所、氏名、電話は別として、空欄が多くても大丈夫で良かった。

発送に関してBookWebはかなりとろいというのがもっぱらの話で、だいたい3週間ぐらいかかるそうだから、気長に待つことにしようっと。アマゾンと比べてどんな感じになるか楽しみ。
とりあえず今のところ気づいた点は、紀伊国屋では注文のキャンセルの受付がメールになるってこと。アマゾンならクリックでOKだったから、BookWebのほうが劣るね。
あとは、どんなふうにパックされるかが重要項目になるかしら。

値段のほうは、本体2097円に、送料の380円と、代引き手数料の200円を足した2677円だった。
これは高いとも低いとも言えない。アマゾン、スカイウェブ、丸善を含め、他のサイトでは扱ってないのだから。イギリスのAmazon.co.ukから送ってもらうよりは安いね…。

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せっかくの投稿なので、もうちょっと書いてみたい。
卒論はまだできてないのだけど、今日、この後、ご飯を食べてから仕上げようかなと思っている。卒業はもう決まっていて、卒論の評価はAだった。Aも貰ったし、卒業式が23日だから、その前には仕上げたいと思う。
今学期の成績はあんまり良くなかった。生涯で最初で最後のオールAを狙ったのだけど、最後のほうで息切れしちゃって、9科目履修したうち、Aが5個、Bが3個、Cが1個だった。Cが来たなんて本当にがっくり。2年生の秋学期以来のCだわ。でも、仕方ないかなー。この科目はもともと興味がないのに、時間割の都合上取ることになっただけで、実際の授業中は、本を読みまくっていたから。その分、このブログを更新できたのは良かった。3つあるBはけっこう心外で、うち2つはAでも良かったんじゃないかなーと思ってしまう。どうしようもないけど。
とりあえず卒業が決まってのは良かった。

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あと、もう1点。
17日に統一エネルギー機構のトップを勤めるチュバイスがモスクワ郊外で銃撃されたとのこと。車に乗っているときに撃たれたそうだけど、チュバイス本人は無事だったらしい。
チュバイスが数年前から統一エネルギー機構のトップを勤めていたのは、GettyImagesで彼の写真を検索しているときに説明がついていたので知っていた。最近は、どちらかというとプーチンの側にいるようで、オリガルヒとはあんまし関係がなさそうな印象が強い。

それで注目としては、ヤフーに出てたロイターの記事なんだけど、チュバイスの説明として「チュバイス氏は、若手改革派の中心メンバーで、電力事業の自由化を進めている」なんてことが書いてあった。

『若手改革派』…。ありえないなー。若手改革派っていうのは、英語ならYoung Reformersに相当するのだと思うけど、Young Reformersっていうのは、1992年、ソビエト崩壊直後、エリツィン政権の初期の段階でチュバイスやらガイダルやらが改革に関わっていたころに、彼らを指してよく使われた有名な言葉だったりする。"The Oligarchs"にそのあたりの記述がたくさん乗っていた。こんな12年前に使われた言葉が今でも使われているとはどうしても思えないよ…。
う~む、この記事を書いた人は、昔の文献に載っているチュバイス情報を参照して書いたのだと思うのだけど、その結果として時代錯誤なとんちんかんな文章になってしまっていると思う。できればこういうくだらない記事は配信しないで欲しいなー。

この件に関しては日本語のメディアでは続報があまりないのだけど、ヤフーのアメリカとかで検索すると、18日にある退役軍人が容疑者として捕まったことなどがニュースとしてあがっている。

個人的に若干注目なのが、最初の襲撃を伝えるインデペンデントの記事で、モスクワ特派員のアンドリュー・オズボーン(←彼は、ユガンスクネフチガスのとき、適当な記事を書きまくっていたのが印象的だった)が、"Chubais, the man who sold Russia to the oligarchs, escapes assassins"というタイトルのニュースを出している。さすがは"左派の"インデペンデントなわけで、『事実よりも視点が大事』という姿勢にはガーディアンのラスブリジャー編集長などは懐疑的で、私もラスブリジャー氏に賛成で、普段は「インデペンデントの記事にはある種の警戒心を持って接しなくちゃいけないな」なんて思っているのだけど、今回の事件の記事のタイトルとしては「これって、いいじゃーん!!」と思ってしまった。そうだよ、そうだよ、“電力事業の自由化を進めている”なんていう言い回しじゃ、チュバイスが何者かは分からない。ときには視点が大事なのかな。でも、いかにも刺激的なタイトルなわけだ。“ロシアをオリガルヒに売った男!”、ねぇー。ここ1年ぐらいのインデペンデントがやることらしい。
でも、こういうのがあってもいいと思う。少なくとも、ロイターみたいな表面的な記事がある一方としてはね。

そんなこんなで、そろそろご飯を食べて、卒論に取り掛かろうかしら。

Saturday, March 12, 2005

クリスチャ・フリーランドの"Sale of the Century"

先ほどネットサーフィン中に偶然、気が付いたのだけど、クリスチャ・フリーランドの"Sale of the Century"が既に刊行されてる。4月7日に刊行する予定だと聞いていたのだけど、1月ほど繰り上がって、先週、3月3日に発行されたらしい。Amazon.co.ukでは24時間以内の発送になっている。
日本のサイトだと、紀伊国屋のブックウェブではもう取り扱いを開始してる。今の時点では、本体価格2097円、それに送料と代引き手数料が合計されて、2677円で買える。

この本はずっと前から読みたかったものだし、オリガルヒ研究本の中で最高峰に重要な文献だから、ぜひぜひ、絶対読まなきゃいけないし、読みたい気持ちもせいいっぱい無限大にあるのだけど困ったことに、昨年の内に読み終えておきたかったポール・クレブニコフの"Godfather of the Kremlin"がまだ最初の70ページぐらいのところで躓いていることと、デイビッド・サッターの"Darkness at Dawn"なんかまだページを開いてすらいないことに加え、アミラ・ハスの"Drinking the Sea at Gaza"までもが本棚で登場の機会を待っている…という危機的な状況が続いている。
(そして付け加えてしまうと、まだ卒論を書いてない。もう卒業しちゃうのに…。どうしよー。)

そんなわけで、注文するべきか、思いっきり悩んだ。そうでなくても、今年になってから散財モードがひどくて、CDコンポを買い換えたり(前のが壊れたから)、DVDレコーダーを買ったり(ビデオ・デッキの調子が悪くなったから)しているので、余計な出費どころか、必要な出費も避けたいところ。

だけど、読みたいのは事実。最高に面白いらしいだもん! ただ、読んでる暇があるかなー。"Sale of the Century"を読み始める前に、最低でもクレブニコフの"Godfather of the Kremlin"は読み終えてなきゃいけない気がするし、"Godfather of the Kremlin"を読む前に、卒論を仕上げなくちゃいけない気もする。できれば卒論は3月中に仕上げたい…。いや、3月中とは言わず、今週か、明日の内に仕上げるべきじゃないかしら(今日はもう無理だけど)。

こんなふうに迷いながらも、「いやいや、やっぱり、この本は、運命の本だよ! 読まなきゃいけないんだ! 注文しなきゃ!」と心に決め、注文することにした。
今のところ、"Sale of the Century"を扱っているのは紀伊国屋のブックウェブだけなので、このブックウェブで注文しようとしたところ、サイトの印象が非常に悪くて嫌になってしまった。

前回、アマゾンで"Darkness at Dawn"を注文したとき、発送作業に取り掛かった翌日に500円も値引きがされて、キャンセルができなくて、1日違いでボッタクられたという苦い過去があるため、アマゾンはもう使うもんかと思っていたのだけど、ブックウェブの会員登録の欄を見てみたら、「やっぱりアマゾンのほうがいいかもー」と考えなおしてしまった。なんで、ただ会員登録をするだけなのに、性別とか、勤務先とか、職業を書かねばならないんだろう? 会員登録をするのはやめにした。

そんなわけで、まだ注文できてない。注文できそうにもない。

ただし、希望の光がかすかにあるの。それは、日本のアマゾン。
日本のアマゾンでは長いこと、クリスチャ・フリーランドの本は"Sale of the Century: Russia's Wild Ride from Communism to Capitalism"しか取り扱っていなかった。これはアメリカ版。
だけど、今見てみたら、イギリス版のリトル・ブラウンから出版されたほうが取り扱いされ始めてる。
発行日は2000年の5月25日だし、ISBNもハードカバーのものが記載されているけれど、注目はエディションのところが「ペーパーバック」になっていること!
もしかしたら、ペーパーバックを取り扱おうとしているのかも! けれど、情報があまり無いから、さしあたってはハードカバーの情報(発行日・ページ数)とかを載せているのかもしれない。2週間ぐらい待ったら、ペーパーバックのほうに更新されるかもね。期待して待ってみよっと。

ついでに書いておくと、この本は、ハードカバーで出されたときは384ページだったけど、ペーパーバックは400ページに増えたとのこと。結構な量が追記されているのかも?
そりゃ、あのあとアブラモビッチが出てきて、デリパスカも出てきて、ホドルコフスキーが空中爆発しちゃったわけだから、追記することはいっぱいあるはず。楽しみ。


そういえば、一昨日フォーブスが2005年度版の億万長者番付を出したけど、その中でアブラモビッチが満を期してロシア人トップになってた。世界で21番目のお金持ちだったはず(先ほどから、フォーブスのウェブサイトがハッキングされたようで、トップ・ページには「ハックしちゃいましたから♪」みたいに、'Hello World'なんて文字が書かれてて、しかもランキングのURLを直で呼んでもリストを見ることができない状態なのが苛立たしい。誰よ、あんなに面白いリストを公開させないようにしている悪いやつは?? まったくもう!)。
確か、アブラモビッチは依然 総資産が100億ドルを超えてて、一方で、ホドルコフスキーの資産は22億ドルまで下がっていたように記憶している。まー、ホドルコフスキーの資産が減っているのは分かっていたから驚きじゃないし、去年までのアブラモビッチにしても、たとえ資産で負けていても政権への影響力を考慮に入れたら、明らかにダントツのナンバーワンだったから今更騒ぐことはないけど、こういう資産のリストでアブラモビッチがロシアのトップになるのは、これが始めてじゃないかしら。
そういう意味で、少し象徴的に捉えることもできると思う。名実ともに彼が最強のオリガルヒになったと。